Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

国語

文章を読む

内田樹先生が言う「中腰」と言うことが,何となくわかってきた気がする。本当にわかったというわけではない。難解な文章を読んでいて,当然わからないのだ。わかろうと何回も読むのだが,わからないのだ。そんなのはよくあること。こんな内容をすらすらわか…

短歌・俳句の授業デザイン

今日の「中学校高等学校国語科授業づくり演習」では,短歌の授業デザインについて考えてみた。短歌・俳句の授業はどのようなものにすればいいのか,見当が付かないというところから,今回の話題に選んだそうだ。以下,出た話題を列挙していく。 教科書に掲載…

短歌・俳句の授業デザイン

今日の「中学校高等学校国語科授業づくり演習」では,短歌の授業デザインについて考えてみた。短歌・俳句の授業はどのようなものにすればいいのか,見当が付かないというところから,今回の話題に選んだそうだ。以下,出た話題を列挙していく。 教科書に掲載…

檸檬

今日の「中学校高等学校国語科授業づくり演習」のテーマは梶井基次郎「檸檬」だった。担当者が「檸檬」を提示すると,「うーん,……」という声が上がった。授業でどうするか,つかみ所がない教材という印象を持っている人が多かった。以下,出された話題をト…

児のそら寝

今日の「中学校高等学校国語科授業づくり演習」のテーマは古文教材「児のそら寝」だった。この題材は高校1年生の一番初めに扱う古文ということころが多い。教科書を比べると,1年生の最初ということで,ほとんどの文章の脇に訳注が付いているものから,脚…

言語による見方・考え方を働かせる「山のあなた」の授業デザイン

火曜2限授業「教科の特質に応じた見方・考え方を働かせる授業づくりの実践と課題」の2回目。「言葉そのものを学習の対象としている。」という指導要領解説を受けて,時一歳に授業課題を作った場合,どのようになるのか?を各自持ち寄って検討する時間。題…

「言葉による見方・考え方を働かせる」とは?

火曜2限授業「教科の特質に応じた見方・考え方を働かせる授業づくりの実践と課題」という長いタイトルの授業を受け持っている。各教科で言っている「見方・考え方」とは,どういうことか?をみんなで掘り下げていく授業だ。2018年改定学習指導要領解説に書…

マジカル・ガール 聖なる鹿殺し

立て続けに陰々滅々とする映画をDVDで視聴してしまった。観た後,結構ダメージが大きくぐったりした日々が何日か続いた。「マジカル・ガール」は,娘が余命幾ばくもないと知った父親が,娘の憧れである「マジカル・ガール」のコスチュームをなんとか落札した…

国語授業の設問はオープンクエスチョン?

学部生の授業づくりの授業を持っていて,どうも私の考えが伝わらないというもどかしさを持つ。そうしたら,レポートで次のようなことを書いてきた学生がいた。 今まで国語は答えがないから学習者が考えたことは何でもOKという考えだったが…… そうか,そうい…

国語教員としての資質・能力

「国語教員としての資質とはなにか?」という問いに,最低条件として「言語に敏感であること。」と答えたい。国語は主に日本語という言語を扱う教科である。その言語に敏感でなければ,いけない。「敏感」というのは,「正確」であるということと,「感性豊…

国語学習は何のため?

1.初めに本文は,学習指導要領の解説をするものではなく,昨年から「国語の学習は何のため?」ということを考え続けてきたので,そのまとめとしてのメモである。授業で学生と対話して見えてきたもの,本を読んで見えてきたものを少し整理して書きとめておく…

字の認識

下の子(3歳)がひらがなを読めるようになってきた。つたないけれど、一つ一つの文字を読めるようになってきた。どうして読めるようになったのだろう?誰が教えたのかな?「あっちゃんあがつく」という本を義理の姉が買ってくれた。それを見てまだ文字を読…

テキストにあたる

どうして読めないんだろう?なんてことが疑問だった。今回は「テキストにあたる」ということを目標に、「『テキストにあたる』ということが表れる課題を作成し、提出しなさい。」という課題を設定した。課題の質はどうであれ、みんなうんうんうなってテキス…

教科書に載っていない!

以前の単元で、いつも合格点を取っている生徒が、今の漢文の単元ではなかなか合格点に達しない。というか、10点満点で1,2点を連発している。どうしてなのか?と聞いてみた。そうしたら、以前の単元では中学時代に覚えたことで点数がとれていたようだ。…

「わかる」ということ

「どうすれば現代文ができるようになりますか?」と聞かれるときは、ほとんどの場合「現代文の問題が解けるようになる。」である。そのためには「現代文の問題文を理解できるようになる。」ことが必要だ。つまり、文章を読み取れるようにならなければならな…

テキストにあたる

うちの子どもたちの学習方法を観察していると、「ただひたすら暗記」が多い。小テストを返すと正解を調べ、その正解を「ただひたすら暗記」している。どうしてそうなるのか?と疑問を持つ子どもが少ない。「せんせー、この訳しかたはどうなるんですかー?」 …

文学読み取りの有時間性

「下流志向」には、文学や、音楽は「有時間的」に読む(感じる)ものであると書いてある。例えば音楽は、今聴いている「音」だけでは音楽を感じることができない。もうすでに聞いた余韻と、これからくる音の予想で音楽を味わうのである。文学も全く同じで、…

反応の良さ!

先日、「羅生門」に入る前に、こんなことを語った。実は、そのクラスの担任が、他の先生に、「体育祭の選手と役員決めの時に、『オレはイヤだ』なんてことばっかり言って、全く決まらなかった。」ということをぼやいていたのを小耳に挟んだからだ。語った後…

過去問を配る

昨日月イチの授業研究会で、一斉テストの結果が気になって、どうしても作品の全てを追った授業をせざるを得ない。という話になったので、「テストが気になるんだったら、過去のテストを生徒に配ったら?」と提案した。「こんな問題が出るよ。」ということを…

論理を学ぶ

遠藤周作著「コルベ神父」という随筆を授業で扱っている。この単元で、「論文を書く」ということを目標としている。 遠藤周作は、「コルベ神父」という文章で●●●●ということを伝えたかった。理由は3点ある…… という書き出しでナンバリングとラベリングで4…

絶対に教えられないこと

3年現代文の授業では、「テキストにあたる」ということを目標におこなっている。文章を読み飛ばさずに、こだわって、何か著者のメッセージや思いを感じてほしいのだ。かといって、「著者のいいたいことはこれだ!」という1つの「正解」を探すのではなく、…

リクルートの取材を受けました。

西川先生のご紹介で『学び合い』に関して取材を受けました。「キャリアガイダンス」の取材のために、東京(?)から3名の方がいらっしゃいました。この雑誌は学校の進路に送られてくるから、知っていました。各記事が、こんなに熱心な取材で作られているの…

文字言語表現の書き方

2年現代文の総まとめとして「文字言語表現の書き方」をしている。以下の要素が含まれる。 原稿用紙の書き方を正しく 文字を丁寧に書く 書き言葉で書く メタ・ディスコースを削る 文体(文末表現)を統一する 3時間練習問題をおこない、4時間目にテストで…

つがわ式記憶法

池田修さんの「教師になるということ」で「つがわ式記憶法」が紹介されていた。この手法で漢字がバシバシ覚えられたというのだ。さっそく本を買ったり借りたりしてやってみた。初めにやった「薔薇」という漢字が、書けるようになった。やったすぐ後ではなく…

作文交流クラス募集

小学校の先生の皆さん、高校生と小学生を作文交流させませんか?高校生に以下の内容からどちらかを選んで作文を書かせる予定です。 「朝」・「昼」・「夕方」・「夜」の違いを小学○年生に分かるように説明する。 あるものごとを表す言葉が、言語の違いによっ…

漢字指導

今日も全くの直感に基づいて書いています。以前このブログで漢字や文字の指導が以前に比べると困難になってきたと書いた。何の字か区別がつかない字になっているというものである。原因として、書いた文字を他者に読ませる機会が減ったとか、携帯のディスプ…

文字の修得について

目の前の高校生たちを見ていて、あまりに文字が乱れているのがとても気になる。ひらがながゆがんでいる、なぜゆがんでいるのかというと、筆順が違っている。筆順の基本は小学生の時に学ぶのだろうが、目茶苦茶だ。目茶苦茶だから「れ」と「ネ」の区別がつか…

読書に親しむ科目

次期学習指導要領の高校国語に関して素案が中教審に提示されて了承されたと12付の新聞に載っていた。私が注目するのは以下の科目 現代文A 生涯にわたって日常的に読書に親しむ態度をはぐくむ 読書論ができたら最高だなぁ。少しは高校でも朝の読書の普及がす…

音読すること

音読することは曖昧さが許されない行為である。日本語を黙読する場合では、音読できなくても、漢字によって意味が理解できることがほとんどで、私の場合読書している数%弱は読めない漢字があり、そのままにしている。そのままにしていても、何ら問題はない…

2分間スピーチ

昨年度3年生に試行的におこなった2分間スピーチを今年は2学期初めからおこなう。このイベントの目標は「人前で話す経験を持つ」である。失敗しても次回にチャレンジ可能だ。国語の授業でスピーチをおこなうというと、一般的に「立派な」「内容的にすばら…