Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

『学び合い』の有時間性

教室内で『学び合い』が起こると、それぞれの子どもたちが何を学んでいるのかわからない。当たり前である。「学ぶ」ということは、学んでいる人によって全く内容が違う。同じ活動をしたとしても、学ぶ内容は人それぞれである。

その「人それぞれ」の学びが有機的におこなわれるのだから(子どもの人数)^2 分の学びがおこなわれることは想像できる。1人の教師がとうてい把握できるものではない。

教師は目標に対する到達度でしか測るしかない。ということは、『学び合い』の効果は必然的に『学び合い』開始から時間がかかることになる。脊髄反射的に効果を求めるのは不可能である。

このことから、グループ活動をしてみたいが*1、踏み出せないでいる教師の不安「話し合わなかったらどうするんですか?」というものは、無時間的な考え方から出ているということがわかる。「話し合わなかったらどうするんですか?」というのは、何かをしかけたらすぐにその効果が現れなければその仕掛けは失敗だという考えだ。そういう考えでいる場合は、教育上何をやってもうまく行かないということになる。

*1:『学び合い』をしてみたいということではないが……