最近の子どもの自殺問題の数年前に起こった福岡の「いじめ教師」問題は実はでっち上げだったということをルポした本です。
私もこのニュースをちらっと聞いて、「とんでもない教師がいるものだ」と思わされたが、真相は全く違っていた。とんでもない親と、批判精神のないジャーナリズムが被害者(教師)を生み出したというものだった。
こういうことがあるから、若い教師や、教師を志す人は「保護者が恐い」と思うんだろうなぁ。こういうケースはレアなケースだろうけれども、自分が巻き込まれると、「レア」とも言えなくなる。
親側が民事訴訟を起こしたからこそ、真相が明らかになったのだが、一審での判決の後、今年1月に原告側が控訴(たぶん)しているので、公判は続いている。
1つ疑問なのは、どうしてこの親があんな嘘をつきまくったのか。取材を受けてもらえないため、その点には突っ込んでいない。
この問題はいいかげんで、事なかれ主義の管理職や教育委員会と、教育問題なら何でもかんでも飛びつき報道し、無批判的に親側の言い分を鵜呑みにするマスコミによって発生したものだった。
私も報道されたときに鵜呑みにしたもんなぁ。恐い恐い。
しかしこの本に書いてあることも鵜呑みにしては恐いのかもしれない。1つのメディアだから。
- 作者:福田 ますみ
- 発売日: 2007/01/17
- メディア: 単行本