Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

捨てられた消しゴム

日曜日掃除をしていた。息子たちの部屋のゴミ箱に消しゴムが捨てられていた。

長男に「これどうしたの?」と聞いたら「僕知らないよ。」とこたえた。きっと下の子が勝手にいじって消しゴムをゴミ箱に入れたのかな?と思った。

私はその消しゴムはみんなのものだと思って、状差しに置いておいた。しばらくたって、長男の部屋の床が鉛筆で汚れていたのに気づいて、消しゴムで消すように言った。長男は自分の筆箱から消しゴムを取り出すと思いきや、先ほど状差しにおいた消しゴムを取りに行った。なんと、捨てられていた消しゴムは長男がいつも筆入れに入れて学校に持っていった消しゴムだったのだ。

これはおかしいと気づき、「どうして消しゴムがゴミ箱に入っていたの?」と聞いた。長男は答えを渋っていたけれど、「投げていたら入っちゃった。」と答えた。一番初めに「知らないよ。」と言ったのとは全く違う。つまり、これもきっと嘘なんだろうと思った。

「本当のことを言わないと許さないよ。」と言い、自分から本当のことを言うまで部屋にいさせた。長男は机の下に籠もって出てこなくなった。

カミさんが話を聞きに行った。先ほど言ったこととまた別の言い訳をしてきた。また嘘を言ったのだ。

きっと別の消しゴムがほしくて捨てたんだと思い、穏やかに聞いてみた。この消しゴムが使いにくいやら、何やら理由を言いだしたが、結局は友達の持っているようなキャラクターの消しゴムが欲しかったと打ち明けた。

「嘘をついて新しい消しゴムを買ったとして、嬉しいの?楽しいの?」と聞いたら首を振ってわんわんと泣き出した。

長男は最近よく嘘をつく。この年頃の子の特徴なのかどうか分からない。嘘は悪いと思っているから、大泣きしていたんだろう。正直に言って、大泣きした後はなんだかすっきりした顔をしていた。