Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

2分間スピーチ

昨年度3年生に試行的におこなった2分間スピーチを今年は2学期初めからおこなう。このイベントの目標は「人前で話す経験を持つ」である。失敗しても次回にチャレンジ可能だ。

国語の授業でスピーチをおこなうというと、一般的に「立派な」「内容的にすばらしい」ものが求められるが、考えてみれば、人前にそれほど立ったことのない高校生が、約40人の前で話す訳なのでうまくできるはずがない。

見知った顔の人たちの前でも、たくさんの視線を受けるとあがるに決まっている。そこで話すだけでも大変なのに、話す内容もあれこれ注文をつけると、何もできなくなってくる。

ということで、「最初だから失敗するように」「あまり上手にやると、後からやる人がプレッシャーに感じるよ。」などといって、約2分話し続けることだけを求めている。

経験のほとんど無い生徒は、内容をあらかじめ考えてくる。考えてくるが、考えた内容がどのくらいの時間で喋れるかはあまり予測が付かない。ほとんどの生徒が1分過ぎると考えてきた話す内容を出し尽くしてしまう。

その後に「個性」が出てくる。そして不思議と笑いも取れる。話すことがなくなって、困って、思いついた話題の方がおもしろいのが不思議だ。そこに人間味が表れるからみんなが笑ってくれるのだ。

人間味が出なければ、コミュニケーションとはならない。