Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

林公さんの実践

林公さんは朝の読書の提唱者だ。最近ようやくわかってきたことがある。林公さんは英語の教師だったが、「生きる」ことを学ばせるために、より深く関われる社会の免許を教師になってから取得したそうだ。

そしてその社会の授業でいつも求めていたのは「みんな」であった。私がその実践を読んだとき、最も印象に残ったのが、課題を提出するときは、全員が提出することを求めた。難しかったり、時間がとれなくてできなかった場合は、できなかった理由(言い訳)を書いてでも全員が提出することを求めたそうだ。

学習係が全員の課題を集めてから、教師のところに持っていくことになる。以前、私も真似をしようとして何度も挫折した。結局いいかげんになってしまい、「出さない奴は出さないのが悪い。」と私が思ってしまった。

考えてみれば、教師がそう思えば、子どももそう思うのであって、いくらたっても全員が提出することはなかった。

「みんな」を求めていた林さんの実践は『学び合い』に通じていたんだなぁと最近になってわかってきた。

だからそんな林さんが提唱した朝の読書も『学び合い』に十分通じることだ。なぜ朝の読書が絶大なる効果を生み出している*1のかというと、「みんな」を求めているからだ。子どもたちが立ち歩かなくても、話し合いをしなくても『学び合い』は文化としてそこにある。

*1:理念を理解して実践している場合であるが。