Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

グループをチームにしよう

グループをチームにしよう

クラス2日目はまだまだグループの状態だった。そりゃしょうがないかもしれない。互いに牽制し合って、じぶんのすべきことができない、自分の言うべきことが言えない状態だ。顔見知りだけで会話をし、「クラスのためにどうしようか。」なんてことはまだまだ考えもつかない。これは単に人が集まっている「グループ」の状態だ。

だから春休み課題も教卓に放置状態。1年生のクラスが書かれたまま。誰が先生のところに持っていくのか誰も考えない。自分がしようともしない。したいと思っても、自分が出しゃばってするのは変に思われるんじゃないかな?なんて思っちゃう。係が決まっていないんだからそれが当たり前なのかもしれない。しかし、もしクラスがチームになっていたら、係が決められていなくても、すすんで足りないところを手伝い、自分から進んで補佐に回り、どうするのがいいのか意見が出るのだ。

早くそんなチームにクラスがなってほしい。これからみんなはそうなれるはずだ。

今日クラスの係を決めた。級長、副級長は事前に打診して快諾してくれた。その他の係もすんなり決まった。係が決まるということは、その係の仕事でクラスに関われるということ。クラスをより良いチームにするために貢献する切り口を得られたということ。しかしこの係の仕事だけで関わればチームになれるのかというとそういうわけではない。それぞれがちょっとずつ係の仕事を飛び越えて互いに補佐できるかでいいチームになれるかどうかが決まる。ちょっとずつでいいので、考えてほしい。

それは掃除の係もあるだろうし、勉強の時のクラスの関わりにも関係する。自分だけが自分の持ち場を担当していればいいわけではない。自分だけが勉強をわかればいいということではない。自分だけがわからなくてもいいというわけではない。

私はクラスをサッカーチームにたとえるのが好きだ。Jリーグチームは選手だけで成り立っているわけではない。監督、コーチ、医療、食事、広報、事務、試合運営のボランティアなど、それぞれの持ち場があり、全てが協力することによって強いチームになれる。しかし、医療の担当が食事に口出さない、広報が選手の不調に気づいてもコーチに伝えないなんていうことがあってはチームとしては弱いものになる。自分の持ち場を全うするのは当然だが、それぞれがちょっとずつでもいいからチーム全体を見て意見を言うことで強いチームになれる。

実は、2010ワールドカップ岡田ジャパンの快進撃は、こういうことでチームとして強いものであったと岡田元監督が新潟に講演に来たときにそう聞いたのだ。

自分の持ち場をちょっとずつでも越えて全体をみることが、いかに大切か。これからチームを作っていこう。