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上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

夢のJリーガー

夢のJリーガー

私は夢は必ず実現できると思っている。夢をもつことにより、人間は発展してきた。今できないことに対する飽くなき追求により、不可能ということを実現してきた。

夢をもつのは簡単だ。しかし、夢を絶えず持ち続けることが難しいのだ。そしてその夢の実現には期限もあるということが、もっともっと実現を難しくしている。

自分の息子の夢はJリーガーであることは以前に話したかもしれない。小学校6年生なのだが、保育園のときから「将来はサッカー選手になりたい」と言い続けている。それなりにサッカーはうまくなってはいるが、他の子どもたちに比べてどうなのかというと、同じ年代でもっともっと上手な人はいくらでもいる。Jリーグ下部組織のセレクションを2回受け、2回とも落ちている。それでも「Jリーガーになりたい」と言っている。

それじゃあ、普段は何をしているのかというと、家にいる時は宿題をして、その他の時間はカードゲームやビデオゲームのことばかり考えている。ご飯を食べた後ボールを持ってリフティングをしに行くなんていうことは全くない。

Jリーガーになるためには、そろそろ芽を出していかなければならないんだろうけれど、自分の努力の少なさ、結果が出ないという現実を見て彼はJリーガーへの夢を持ち続けることができるのだろうか?

夢を持ち続けることに期限はないが、しかし現実問題として46歳の私が今からJリーガーの夢を持ったとしても、実現不可能である。きっとどこかであきらめてしまう。

横浜Fマリノス中澤佑二は中学校からサッカーを始めた。Jリーガーとしてはサッカーを始めるのはずいぶん遅い。それで初めはめちゃめちゃ下手だったそうだが、並々ならぬ努力でJリーガーとなり、日本代表までにもなった。毎日1リットルの牛乳を飲んで背を伸ばし、毎日ロングキックの練習を自主練でやっていたそうだ。きっと高校からサッカーを始めたらこうはいかなかったかもしれない。自分の息子の夢の期限は中学校ぐらいまでなんだろうと思っている。本人はどう思っているかわからないが。

つまり、夢をもってもそれを実現しようと歩み出さなければ、それは夢でもなんでもなく、幻想であり、幻である。夢は見ようと思う主体的なものであるが、幻はただ見ているだけである。いや、幻は見えているという勘違いの場合が多い。

毎年Jリーガー(J1・J2合わせて)に新たになれる人は100人強(2012年で121人)である。東大には毎年3000人以上合格している。今年Jリーガーになった選手が3年後にJリーガーでいられるのは半数以下だろう。東大生はほとんど4年間以上東大生でいられるはずだ。

このデータからでも、Jリーガーになることは、かなり難しいと言える。そんなJリーガーになりたいというのだから、今、歩み出さなければ単なる幻でしかない。

みなさんは大学に入りたい、○○大学に行きたいと言っているが、歩み出しているのだろうか?夢はもっているが、その夢を自分で幻にしてしまうことはしてはいないか?歩み出さなければならぬ。あと1年半という期限が迫っている。これが5年後、10年後だったらまだ夢を持ち続けることが重要だといっていられるが、1年半後という期限が迫っているのだから、もう「夢を持ち続けろ。」ではなく、「夢を幻に堕とすな。」と言わねばならぬ。

さて、歩み出すにはどうするのか?毎晩カードゲームのことばかり考えて、宿題はするが、その後の時間はカードを広げて並べてそろえてしまうことに時間を費やしていてはどうしようもない。ボールを持って公園に行ってリフティングをするしかないのである。

大学合格のための「リフティング」とは何か?それぞれわかっていることだろう。

今日言いたかったことはこんなことである。そして今晩息子にもこんな話をしようと思っている。