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上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

ネット依存症

「「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案(IR推進法案)」が成立しましたので,今日からこの学校ではギャンブルに特化したカリキュラムを作り,来たるべきギャンブル社会に対抗し,生き残るべき資質・能力を育成します。これは子どもの頃から育まなければいけない能力です。」

なんていって小学校からカリキュラムにギャンブルが組みこまれることはあるだろうか?

「依存症が起こったらどうするんですか?」
「大丈夫です。ギャンブル依存症対策基本法がありますので,対策はバッチリです。」

なんて,誰も信じないだろう。

「今日からこの学校では来たるべき銃社会に対応するために,銃の撃ち方,銃からの身の守り方をカリキュラムに入れます。」

なんてことが起こらないとも言えない。アメリカでは全米ライフル協会が推進しそうだし,全米ライフル協会から金をもらっている政治家が推し進めそうな気もする。銃による殺人は,銃が誰でも手に入れられる社会を作っておきながら,銃から身を守るために,銃を所持せよという。

アルコール依存症対策として,アルコールに負けないように,アルコールを飲んで耐性をつけなさいというようなものだ。

「依存症」と呼ばれるものが起こるシステムはほぼ同じだという。脳内に快感物質が発生し,それを求めて目の前のことを続けてしまう。そして快感物質が切れると不快となり,狂暴になったり,やる気が出なくなったり,無感覚になったりと禁断症状を起こす。

アルコール依存症ギャンブル依存症,ニコチン依存症,薬物依存症

そしてネット依存症

これらのものはうまく付き合えば依存症にならずにすむが,子どもの時から推奨されるものは1つも無いはずだ。身体が成熟していないときは法律で規制されるのがほとんどである。しかし,ネット(デジタルデバイス,インターネット,ゲームなど)は,子どもの時から何の規制も無く与えられることが少ないとは言えない。本当にこれでいいのだろうか?

「インターネット社会になるのだから,学校でその扱い方を勉強し,カリキュラムに組みこむべきだ。」というのは,「大人になれば,アルコールを飲むようになるのだから,学校でその飲み方を勉強し,カリキュラムに組みこむべきだ。」と同じことに見えてくる。

違うのは,アルコールの子どもへの影響は科学的に証明されているが,ネットの子どもへの影響はまだ科学的に証明されていないだけだ。ネット社会に普及してまだ20年も経っていない。子どもの頃からネットにどっぷりつ漬かると,どのような成人になるかはまだ症例がない。

そして10代のいや,10代よりも若い子どもたちのネット依存症がどんどん報告されている。「学校で進められて,授業で使っているから,家庭でもどんどんやっていいのだ。」と思われることがとても恐い。少なくともタバコは学校から,いや,表社会から締め出しを食らってきている。

ネット関連会社,デジタル機器関連会社が全米ライフル協会のようにならないことを切望するだけだ。

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