Pay it Forwad,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

グリーンブック


アカデミー作品賞。賞を取るのもうなずける。とてもいい映画だった。

私が好きな「ロードムービー」と「ミュージックムービー」という2つの要素を持っている。「ロードムービー」の要素では,2人が旅を続ける上で,少しずつ2人の関係や,それぞれの考え方が変化していく。そして「ミュージックムービー」の要素では,抑圧されたものが一気に音楽で発散される。とてもうまく作られているし,実話ベースというところも感動を呼ぶ。

イタリア系白人は,白人であるがアメリカン人ではなく,ところどころで差別される。そして黒人を深い考え無しに差別していた。

黒人クラシックピアニストは,ほとんどアメリカで暮らしたことがなく,ソ連でピアノのレッスンを続け,有名なピアニストとなる。自分は何か?ということを確かめるために1960年代の南部に演奏旅行に出かける。

イタリア系白人は,「俺はお前よりも黒人だ。黒人が作ったフライドチキンの食べ方を知っているし,大好きだ。」という。黒人ピアニストは「あいつらは俺のピアノなんて聞きやしない。俺が演奏している場にいることが大切なんだ。」と,自分自身を認めてくれないことにいらだつ。

アイデンティティとは何かを考えさせる映画だった。そして,自分のアイデンティティとは,相手を認めた上に出来上がっていくということを表している映画だった。