Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

2種類の『学び合い』の目標

子どもは誰の評価を意識しているか。学校では大きく分けると教師と仲間である。教師が「みんなが90点以上とりなさい。」と言った場合は、子どもは「90点とらなかったら先生はどう反応するか?」ということを考えるから、このような目標の場合は教師である。

一方、「みんなをあっと言わせるようなものを作りなさい。」とした場合、評価者は子どもに移るから、教師の目は気にしなくなる。

「90点以上……」でも「みんなをあっと言わせる……」でもどちらでも『学び合い』は生じる。

私の場合は後者が主だったが、前者をやってみて、その絶大なる力に最近気づき始めた。後者は周りの仲間が「試す相手」だが、前者は周りの仲間が「協力者」であると同時に「シバリ」であるという相反した関係になっている気がする。だから絶大なる力があるんだろう。

後者は子ども同士が互いに互いの基準で認め合える(または認めさせようと努力する)ので、価値観が広がっていく感じがする。しかし、逆に「他の人がやらなくても気にしない」という考えも生まれる可能性もはらんでいる。

2つをうまく組み合わせて『学び合い』文化を教室に作っていく必要があるなぁと思った。