Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

高等学校クラスづくり講演会


文化学園長野高等学校の1学年担任団主催のクラスづくり講演会に呼ばれた。

県外で泊まりでの出張は本当に久しぶりだった。昨年の長野講座で泊まり予定だったが、急遽オンラインになってしまったので、2年ぶりくらいだったかもしれない。

教職大学院修了生のK先生との繋がりで、M先生と繋がるようになり、コロナ前には、ゼミ生と高校に訪問したり、私の大学院授業(国語授業づくり)にオンラインで毎回参加してくれたり、昨年はM先生が若手2名を連れて私の学部授業に参加し、学部生がおこなった模擬授業に参加してくれた。

私の高校クラスづくり本を読んでくれて、今年から担任を始めた先生方が実践してくれていた。その縁もありクラスづくりについて話してほしいという依頼を受けた。修了生のK先生からの縁がこのように広がった。不思議なものだ。

私の本には学級担任の仕事のノウハウ的なことが主に書かれているので、そのバックグラウンドにある考え方や見方・考え方を話の柱に据えた。

  • 学校は子どもを親や労働搾取から守るためにできたということ
  • 教育の最優先順位は、「命を守る」ということ
  • 子どもは言うことをきかないのが当たり前ということ
  • レジリエンスや自己肯定感を育むには、「クラスの仕事」を全うさせるのが良いということ
  • 失敗に寛容で失敗から学ぶ環境を作ること
  • 教師には意図しない予想以上の影響力があるということ
  • 教師の力はかなり限定的だということ
  • 他人に頼る力が担任には必要ということ

そんなことを話しながら、最近特に感じている「学校を格付け機関にしてはいけない」ということも伝えた。

皆さん自分の環境に置きかえて聴いてくれたようだ。これからの教育を担って行く若い教師に何かしら伝わったら幸いだ。

でも、学級担任が終わって10年あまり、高校教師を辞めて7年あまり、現場感覚が薄れてきていて、そんな私の話が伝わるかどうか不安なのだが、「学校の固定観念」は強固で、10年そこらでは変動していないところもあるようだから、私の話の何かが響いてくれるところもあったようだ。

ただ、本に書いた「自在箒の使い方」は、レガシーと化しているところがあるようだ。コロナで雑巾がけも無くなっているとも聞く。そのうち掃除機使って掃除するようになるんだろうなぁ。(え?ロボット掃除機つかっている学校もある?)

長野駅周辺は、「もうコロナ無くなったの?」と思うほどの人出で、いったい何が起こっているの?と思ったら、善光寺の御開帳の時期で、観光客が集まっていたそうだ。外国人観光客らしき人もたくさんいた。いやぁ、街にあんなに人がいる風景、本当に久しぶりに見た。