Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

2022年 USA イオンシネマ新潟南視聴

アカデミー賞7部門受賞の作品で、日本公開前から観に行きたいと思っていた。賞を受賞したから、混んでいるのかな?と思いきや、イオンシネマ新潟南では、それほど大きなスクリーンではなく、半分も入っていなかった。あれ?イオンシネマは、55歳以上だと1100円で見られて、夫婦片方が50歳以上だと2名で2200円で見られるので、今まで良く行っていたユナイテッドシネマから鞍替えした。

トンデモ映画だとは聞いていたけれど、本当にそう。町山智浩さんが言う「オバカ映画」だった。それなのにアカデミー賞を取れるということ自体、すごいことだ。

見始めは、情報量がとんでもなく多く、何が何で、どうなっているのか、現実なのか、別世界なのか、よくわからない状態でストーリーが進んで行き、何となくしっくり分かってきた気になるのだけれど、やっぱりよくわからない。それでも、「それらのマルチバースが、全て繋がっている」ということなんだろうな、と解釈した。選択によりいろんな世界が分岐するのだけれど、結局分岐しても、同じ道を歩んでいる。

選択して、または道を誤って、望まない方向に行って、それを修復しようというのも、結局他のバース世界でも同じ。これがタイトルの意味なのか?と漠然と思ってしまう。

楽しい映画だったし、全く退屈しなかった。見たら語りたくなる映画だった。

以前は、分からなかった部分があったら、もう一度観に行って、理解したいと思ったのだけれど、今は、分からないことを楽しむ映画鑑賞をするようになってきた。何年後か、「あ、あれは、ああいうことなのか」と分からせる作品が、いい作品なんだと思うようになって来た。そっちの方が長く楽しめる。分かった気になったら、そこで終わってしまう。

それにしても、指がソーセージになるって、どういうメタファーなのだろうか?アメリカ文化には、そういうメタファーがあるのかな?これも答え合わせしないまま、生きているうちに気付ければいいと思ってしまう。

主人公が清水美沙、娘(ステファニー・スー)が大坂なおみにしか見えなくなってしまっている。