Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

『学び合い』のとらえ方

いっとき朝の読書が脚光を浴びた。(もちろん今も地道に続いている。)提唱者は「4原則*1を守れば誰にでも簡単にできる。」と言っていた。

しかし、「だれにでも」「簡単に」はできない。なぜならこの4原則の裏にはどういう理念があるのか、またその理念に共感できないと、朝の読書は「方法」になってしまうからだ。

朝の読書が「方法」になると、「ただ朝に読書をさせていれば、遅刻は減り、生徒は落ち着き、教科学習にすんなり入れるようになる。」と考える人がいる。

そう考えて導入すると必ず失敗する。失敗して取りやめている学校は多数ある。

『学び合い』というのは、理念である。実は「子どもの力を信じる」ということに共感できないと『学び合い』はできない。

『学び合い』を方法として捉えると、子どもはすぐに見透かす。学び合っているふりをする。教師の前では学び合い、教師がいなくなると学び合わなくなる。

『学び合い』に反対している人もいる。しかし、反対している人は『学び合い』を「方法」として捉え、その「方法としての『学び合い』」に反対しているという気がしてきた。しかし、根本では『学び合い』の理念に通じる人も多くいるのではないか?

そこに『学び合い』普及の活路を見いだせるのではないか?と思った。

方法としての『学び合い』や、『学び合い』の結果が先行してしまい、『学び合い』の理念を知ってもらう努力をするのが今後の我々の課題だ。

*1:毎日 みんなで 好きな本を ただ読むだけ