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上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

資本主義の終焉と歴史の危機

資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)作者:水野 和夫発売日: 2014/03/14メディア: 新書内田樹の娘、内田るんが対話本の中で紹介していたので、読んでみた。データの説明なんかは、私には難しかったのだが、かねてから疑問に思っていたことがクリアーにな…

「ありふれた祈り」〜おいしいコーヒーのいれ方〜

村山由佳著「おいしいコーヒーのいれ方」が完結した。最終巻は「ありふれた祈り」 1994年に第1巻が発表され、1997年にはNHKFM「青春アドベンチャー」でラジオドラマ化され、それを聞いた私は小説を読むようになった。考えてみれば、四半世紀以上の長期連載…

天上の葦 〜文学の力〜

「天上の葦」上下巻読了 物語(文学)は、フィクションであるが、フィクションであるからこそ与える影響というものがある。それは「人の心にダイレクトに入り込んでくる」という力だ。それは映画やマンガなどにも言えることなのだが、設定はフィクションで、…

「縦の道徳」と「横の道徳」

「民主主義」角川ソフィア文庫 2018年1948年に文部省が「文部省著作教科書」として刊行したもの。今から70年以上前に書かれたものであるが、70年経った今でも実現されていないことばかりである。このコロナ禍により、日本の様々なほころびが露わになっている…

ディス・イズ・ザ・デイ 木久津久子著 朝日新聞出版 2018

NHKFM「青春アドベンチャー」でラジオドラマ化されていたので知った本。1話ごとに違う架空のJ2チームのサポーターが主人公となるオムニバス小説。アルビレックス新潟もJ2二年目で、J2というリーグがいかに厳しいものか身に染みて分かってきた。そして…

失敗の科学 マシュー・サイド (株)ディスカヴァー21 2016

約16年前、「失敗学会」に1年だけ入っていた。畑村洋太郎さんが設立した学会だ。あまりメリットが無くて1年で脱会したが、失敗から学ぶことに以前から興味があった。「失敗の科学」では、私が知りたかったことがバッチリ書いてあった。エビデンスをふんだ…

自省録 マルクス・アウレリウス 京都大学学術出版会 1998

めちゃくちゃ手強かった。読んでいる端から何が書いてあるかわからなかった。読んでも読んでも頭の中に入らない。ところどころぽつぽつと残っているだけだ。これを読んで,解説しているひとは,なんて頭がいいんだろう?と思ってしまった。そもそも「自省録…

アドラー心理学で変わる学級経営 赤坂真二 2019

「100分de名著」で岸見一郎の解説を聞いたり,ひょんなことから,「子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気 (幻冬舎単行本)」を読んだり(本当は,聴いたり)して,アドラー心理学に触れることがあった。「褒めない,叱らない」って,どういうことなんだ…

賞味期限のウソ 井出留美 幻冬舎 2016

日本の食品ロス量は,632万トン(2013年度,農林水産省調べ)。これは東京都民が1年間に食べている量とほぼ同等だそうです。 (中略) 世界の食糧支援料は約320万トン(2014年)なので,日本は,世界全体で支援される食糧の2倍もの量を,日本国内だけで捨…

日本型組織の病を考える

日本型組織の病を考える (角川新書)作者:村木 厚子発売日: 2018/08/10メディア: 新書2009年,冤罪事件を自分で解決したとして記憶に残っている。あの時は「ニュースステーション」で何度もこの事件の報道を見聞きし,「一太郎ファイル(フロッピーディスク)…

国語教育の危機

国語教育の危機――大学入学共通テストと新学習指導要領 (ちくま新書)作者:謙介, 紅野発売日: 2018/09/06メディア: 新書知り合いの国語教師が「今話題になっている」と言う本だから,読んでみた。新学習指導要領,共通テストの導入により,国語教育が危機を迎…

面従腹背 前川喜平 毎日新聞出版 2018

面従腹背作者:前川 喜平発売日: 2018/06/27メディア: 単行本前川喜平の初めての単著本だ。寺脇研さんや前川喜平さんの対談や本を読むまで,トップの官僚というのは,何を信念に仕事をするべきなのかというのは,とうてい想像ができなかった。約20年前,「日…

「下流志向」を読む③すでにゲームは始まっている

高校教師という職につき、常に悩まされてきたのが「学ばない子どもをどう学ばせるか」というものだ。これは高校だけではなく、全ての校種での悩みの種だろう。この問題の一番の解決策は「あきらめる」というものだ。「学ばない本人が悪い」と理由をつけ、放…

またまた「学び合う国語」

今日は長男のサッカースクールだった。長男の1,2年生クラスが終わってクラブハウスで帰り支度をしていたら、昨年までスクールのクラスが同じだった子のお母さんが見慣れた本を読んでいた。なんと「学び合う国語」じゃないか。そのお母さんとはサッカーの…

ダンシング・ヴァニティー(筒井康隆著 新潮社)

筒井康隆のドタバタ・ナンセンス・スプラッタコメディーの力は衰えていない。私が高校時代に読み出した初期の作品の雰囲気をこの作品でまた感じることができた。すばらしい。最近新聞でこの作品に関してのインタビューをよく読む。先日も新潟日報に掲載され…

アイの物語

久しぶりに読んだSF小説だった。最近の本には珍しく(?)文字がぎゅぎゅっと詰まっていて、読んでも読んでも進まなかった。何せ、小説の中に数編の小説が入っている。全て人工知能(AI)と人間の関係が描かれている小説だ。それを人工知能を持ったアン…

本を買い直す

最近は図書館で本を借りて、「手元に置きたい」と思う本だけを購入するようになってしまった。しかし、図書館だと予約がいっぱいでなかなか借りられず、「今すぐ読みたい!」という本はすぐに買って、読んだらアマゾンで売るということをしている。マンガ本…

神の子どもたちはみな踊る(村上春樹著)

内田樹著「村上春樹にご用心」を読んで、この本を知った。内田樹さんも書いていたが、この短編集の中の「かえるくん東京を救う」がとてもいい。村上春樹は自信の小説を「文芸界の雪かき」と言っていたそうだ。「誰もやらない、でも誰かがやらなければならな…

賢者のデジタル 山根一眞著 マガジンハウス

消費者の視点からデジタル機器をレポートしている。日経プラス1で10年以上連載が続いているので、10年前のデジタルについてのレポートと、そのレポートを今ふりかえってどうなっているかというのも書いてある。10年前から不便な部分は今でも不便だったり、…

サクリファイス(近藤史恵著)

自転車競技の話である。文体にスピード感もあり、1日で読んでしまった。ちょっとばかりミステリーでもある。自転車競技はアニメ映画「茄子アンダルシアの夏」を観てから、おもしろさに気づいた。うちのケーブルテレビでたまに自転車競技が流れるが、やって…

購読者急増中

「学び合う国語」の話です。カミさんからの情報によると、同僚が、うちの近くのジュンク堂書店に並べられてあった「学び合う国語」に私の名前を見つけて、「もしかしたら旦那さんが書いた本なの?」と思って購入したそうです。ありがたいありがたい。先日ジ…

星新一 1001話をつくった人

星新一のショートショートは中学時代に読みふけった。自分は中学時代はとても不遇な時代だったので、本がよりどころだった気がする。その当時刊行されていた選集が図書館にあり、読破した。ショートショートはよく分かるものもあったが、全く分からないもの…

学び合う国語

出版されたのかな?東洋館出版のwebページには掲載されていました。サブタイトルは「国語をコミュニケーションの教科にするために」。帯にはもうちょっと過激に「コミュニケーションのない授業は国語じゃない!」となっております。この帯の言葉はちょっと気…

間の取れる人間抜けな人

森田さんはイッセー尾形さんの演出家だ。「沈黙がコミュニケーションの基本」という逆説的な主張が書かれてあるが、考えてみれば、のべつ幕無し喋っている人がコミュニケーションを取れるとも思えない。言い得て妙な表現だ。国語の時間ではコミュニケーショ…

蝉しぐれ

藤沢周平の本を初めて読んだ。人気があるのがよくわかった。歴史長編はあんまり読んでおらず、展開の緩やかさに、初めは取っつきが悪かったが、どんどん引き込まれた。ぜひ映像でも見てみたいと思った。NHKテレビで放送していたんだよね。映画化もされたのか…