Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

教職

国語科授業「掛け違え」あるある

国語科授業を作っていたり、授業を観ていたりすると、「あれ?なんだかずれてきているぞ?」と気づくことがある。学生さんが模擬授業を作るときによくあるのが、 今まで受けていた授業の活動(課題)をそのまま取り入れ、どうしてそれを行うのか全く考えてい…

学生さんと対話の時間

学部2年生授業「教育実践基礎論」の前期の授業が終わった。その最後の時間は、学生さんたちとの対話の時間を設定した。私は今まで伝えたいことがあったら、スライドを作って、投影し、それをもとに話していたのだが、なんだか伝わらない気がしてきて、プレ…

授業づくりビフォーアフター

学部2年生の授業「教育実践基礎論」の模擬授業が佳境を迎えており、連日各班との「対話」で互いに授業を作っていく。「対話の時間を取ってください」とメールが来る。いい傾向だ。それでも「対話」といいながら、私が授業デザインを押しつけてしまう場合も…

20230623教育実践基礎論「目標設定の仕方」

Pixel7のレコーダーで今日の授業の冒頭「目標設定の仕方」を喋ったものを文字起こしをしたものを載せる。Pixel7に接続できるピンマイク(と言っても、マイクだけのものは高いので、マイク付き片耳イヤフォンを胸にクリップで留めた。2千円程度で買えるし、…

20230623教育実践基礎論「目標設定の仕方」

Pixel7のレコーダーで今日の授業の冒頭「目標設定の仕方」を喋ったものを文字起こしをしたものを載せる。Pixel7に接続できるピンマイク(と言っても、マイクだけのものは高いので、マイク付き片耳イヤフォンを胸にクリップで留めた。2千円程度で買えるし、…

20230623教育実践基礎論「目標設定の仕方」

Pixel7のレコーダーで今日の授業の冒頭「目標設定の仕方」を喋ったものを文字起こしをしたものを載せる。Pixel7に接続できるピンマイク(と言っても、マイクだけのものは高いので、マイク付き片耳イヤフォンを胸にクリップで留めた。2千円程度で買えるし、…

「相手の意見は否定しないで」で対話は生まれるのか?

否定しない会議 「否定しない」というのは、頭ごなしにダメ出ししないということ。 「否定しない」というのは、その場を成り立たせたり、その人が喋っていたら、最後まで聞くということ。 途中で相手の話を止めてもいいはず 「否定しない」という「呪い」 適…

チームのトップが目立つ効果

news.yahoo.co.jpそのチームが人気が無かったり、優秀な選手がいなかったり、メディアの注目を集めたいときに、トップがスターになって目立たせることに意味があると思う。でも、あまりにもトップが目立っている場合、チームの構成員はどんな風に思うのかな…

学校は点の取り方を教えるところじゃない

今でも、例えば、「音声言語表現活動」の活動事例を先生方に提示して、「音声言語の練習も必要だよね」と伝えると、必要さは認めてくれるのだが、「どうやって評価するの?」という問いが必ず来る。ここでいう「評価」は「点数化」の意味だ。「教育」と「点…

国語科授業での様々な 「対話的学び」の生起す る授業デザイン

長野県教育委員会と上越教育大学教職大学院のコラボ企画でタイトルの講座を行った。ここ2年間オンライン講座なので、「対話」というテーマなのに、もどかしくてしょうがない。しかし、長野県総合教育センターの方々のご尽力で去年よりもスムーズに講座は進…

教育と愛国

2022年 日本 高田世界館視聴ドキュメント映画でしか報道というか、編集、公開されない内容だと思う。テレビ、新聞ではすぐに権力者が弾圧をかけ、特にテレビはこういうことを報道したら潰しに来る昨今だ。今や映像付きで報道するのは、ドキュメント映画とい…

ペーパーテストの限界

学部3年生が卒論テーマの一部として、「ペーパーテストの限界」を調べている。ペーパーテストでは、学力のうち、何が測れて、何が測れないのか?ということだ。しかし、世には学校で身に付けさせる力は、ペーパーテストで測れる力のみと考えている教員もい…

「実用的な文章」学級日誌

今日の大学院授業「中学校高等学校国語科授業づくり演習」では、今年度から始まった「現代の国語」の実用的な文章を取り上げ、みんなで「どんな課題を設定して授業をしたらいいのか?」と、考えた。その教科書には「実用的な文章」として学級日誌が例の1つ…

手書き文字教育は続くのか?

片桐研究室の学部2年生Hさんは、毎日その日の出来事を手で書いて残しているそうだ。いわゆる「日記」なのだが、「手書き」である必要があるのか?というところから発想し、1人1台タブレットが配布され、手書きで文字を入力せずとも、タブレットにフリッ…

今年やろうと思うことごと

新年になって、1カ月も過ぎて、今年やろうと思うことごとがだいたい固まってきた。ぼんやりと頭の中に置いておいても良いのだけれど、ブログで公表しておいた方が自分の励みにもなるし、ふりかえりにもなる(年末には年頭のことなんて忘れてしまう可能性が…

夢十夜 第六話

久しぶりの「高校国語授業研究会」で、夢十夜についてディスカッションした。現代文教科書に掲載されているのは、だいたい第一話と第六話だ。私は第六話しか扱ったことがなかったな。 note.comずいぶんと前、イチローが現役でバリバリ活躍して、たくさんの記…

教養としての英語科教育

残り回数が少ない「教科の特質に応じた見方・考え方を働かせる授業づくりの実践と課題」だが、今日の題材はまたしても「英語科教育」となった。その時の話題の概要をまとめておく。英語科教育でいつも話題になるのが、 AI機械翻訳の精度がどんどん上がって…

「そんなのも知らないの?」となぜバカにされるのか?

学部生のTさんは、「学校教育における固定観念」について研究している。個人ゼミの最中、「『常識的』なことを知らないと、恥ずかしい」という話題になった。 どうして「恥ずかしい」のか? 豊臣秀吉の全てを知っているわけではない 知っておいてほしいこと…

学部2年生授業「教育実践基礎論」最終回での話

2020年度の教育実践基礎論が終了した。今年は25名の学生さんが履修して、途中コロナ禍により校内入校禁止やら、曜日変更やらイレギュラーが起こり、2月上旬まで授業を行うことになった。本来ならば、1月末でレポートを提出、最終プレゼンをして終わるのだ…

教科の魅力を伝えるということ

今や、「教科書に載っているから」とか、「テストに出るから」とか、「入試に出るから」とか、「みんながやっているから」とか、そういうことでその教科(主に普通教科)の学習に児童・生徒が取り組む時代は終わっている気がする。子どもたちも保護者も学校…

教育に関わる仕事

極端な話をする。教育に関わる仕事は、特に学校教育に関わる仕事の場合、ある程度の裁量が教員にある。もちろん、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学などで裁量の差はある。もうちょっと俗な言い方をすれば、「熱意」のかけ方の差と言った方が分かりや…

英語教育の意味

今日の「教科の特質に応じた見方・考え方を働かせる授業づくりの実践と課題」(それにしても長いタイトル)では,中学校学習指導要領(英語)解説を読み取った。いやぁ,とにかく分からない表現ばかりで,英語教育には疎い私にとっては,試行錯誤だった。目…

国語教員としての資質・能力

「国語教員としての資質とはなにか?」という問いに,最低条件として「言語に敏感であること。」と答えたい。国語は主に日本語という言語を扱う教科である。その言語に敏感でなければ,いけない。「敏感」というのは,「正確」であるということと,「感性豊…

授業課題の「必要性」について

授業課題に関して,「その課題って面白いの?」とか,「その課題って役に立つの?」ということをいつも気にする。面白ければ学習者は乗ってくる。役に立つと思えば,面白くなくても学習者は取り組む。「役に立つ」といってもレベルがある。「自分が将来大人…

国語学習は何のため?

1.初めに本文は,学習指導要領の解説をするものではなく,昨年から「国語の学習は何のため?」ということを考え続けてきたので,そのまとめとしてのメモである。授業で学生と対話して見えてきたもの,本を読んで見えてきたものを少し整理して書きとめておく…

主体的・対話的で深い学び

「主体的(な学び)」,「対話的(な学び)」,「深い学び」について整理してきたが,整理してみれば見るほど全てが相互に関わっていることがわかる。もちろんそれぞれピックアップして論ずることができるが,論じていくと他の学びに繋がってくる。過去(自…

対話的な学びとは その2

思いの外「対話的学び」について書くことがたくさんになってしまったので, payforward.hatenadiary.com の続き。誰と対話するの?ということを考えてみる。人間は大きく分けると 過去 現在 未来 と対話できる。1.過去 人間は過去と対話できる。過去とは会話…

対話的な学びとは その1

「対話」という言葉の意味をちょっと考えてみる。「会話」でも「議論」でも「話し合い」でもない。「隣の人と会話しなさい」,「隣の人と議論しなさい」,「隣の人と話し合いをしなさい」という表現はしっくりくるが,「隣の人と対話しなさい」となるとなん…

「深い学び」について

新学習指導要領で柱になっている授業実践の視点「主体的・対話的で深い学び」で,「深い学び」が最もつかみ所が無いものだと思う。「豊かな学び」とか,「深い学び」というものは,漠然と当たり前のように使われて,具体的にどのような状態が「深い学び」に…

主体的な学びとは

「主体的・対話的で深い学び」の「主体的な学び」*1とは?と聞いてみると,「自ら進んで学習に取り組む。」と答えるのが一般的だ。私は学習において,3つの場面での「主体的学び」があると考えている。 学習過程 目標設定 学習結果 の3点である。「学習過…