Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

国語

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なぜ物語を学ぶのか?

小説や物語を国語科授業で取り扱うのは「趣味」であり、実用的ではないという考えが主流の昨今、ぼんやりとこんなことを考えた。payforward.hatenadiary.com でも整理したのだが、上記の記事では「言外にあるものを読み取る」としか書いていない。人間の思考…

国語授業デザインあるある

写真はイメージです教育実践基礎論で履修者はこの大学入学して初めての模擬授業を作っている。おしなべて教材の外郭ばかりに注目し、言葉そのものに向き合わない傾向があるので、それをイメージ図としてみた。表現者の表現した「ことば」そのものに向き合い…

ガラス窓の向こうで 立原道造 考

ガラス窓の向こうで 朝が 小鳥とダンスしてます お天気のよい青い空 学部2年生授業、教育実践基礎論で、この詩を選んで模擬授業(初めての)をするグループが多い。しかし、「体言止め」とか、「比喩表現」とか、そういう詩の外郭的なものしか見てこない学…

言葉を読ませない国語授業

payforward.hatenadiary.com の続き。教材の詩「春の河」の詩中に「川々」という語が出ている。学生たちはまずこれに気づかない。気づいたとしてもスルーする。「河」と「川(または「川々」)を同じものだとみなす。そんなことをスルーして、倒置法やら繰り…

言葉を読むということ

学部2年生授業「教育実践基礎論」で模擬授業が始まった。1回目の模擬授業は国語科韻文の授業の導入部だけなのだが、初めて授業案を作る2年生たちはかなり苦労を強いられる。それでもそれを覚悟してこの授業を履修している(はず)。概して詩や俳句や短歌…

私の作文採点基準

作文もお好み焼きも「つなぎ」が大切平成元年に高校教員となり、それからもう何千枚、何万枚もの作文を読み、評価し、評定を付けてきた。授業のふりかえり(学んだこと)などは、ほぼ私の「感覚」で評価している。「良い」か、「ふつう」か、どっちかなのだ…

フォーマットよりもコンテンツ

学生に課題を出す。 「授業参観のレポートを提出しなさい。」 「新入生勧誘のチラシを作りなさい。」 「模擬授業実施のふりかえりを提出しなさい。」ほぼ決まって最初に質問されるのは 何ページですか? 何を書けばいいですか? 出来る人は、最初にこう質問…

言葉による見方・考え方 とは その1

「言葉による見方・考え方」というのは、どうも漠として捉えにくい。先日「教科の見方・考え方を身に付ける授業デザイン研究会」で 言葉を使うこと自体「見方・考え方」なんだよね と伝えたら、「そう!」と激しく同意してくれた。「せいせい、◎さんにたたか…

教科書単元の先にあるもの

www.threads.net 「チ。〜地球の運動について〜」をゼミ生に勧めているのだが、反応が薄い。そろそろ放映も終わりそうなのに……。その一場面、1〜2週間前の放映の一場面を紹介したい。国語の授業において超基本的、基本的すぎてほとんど誰もふりかえらない…

翻訳を比較する 魯迅「故郷」

今週の大学院授業「中学校高等学校国語科授業づくり演習」はAさんの担当で、魯迅「故郷」の翻訳を比較して読むという内容だった。中学校の定番小説「故郷」は、竹内好訳が何十年も掲載されているということだった。しかし、佐藤春夫、井上紅梅訳もあり、4…

国語科授業デザインの作り方の難しさは何なのか?

国語科は、シンプルに「言葉を学ぶ教科」を学ぶ教科であると言える。主に日本語という「言葉」を学ぶのだが、ここで難しいのは、大半の国語科授業履修者は日本語をある程度の~かなりの使い手であるということだ。つまり、「日本語が分かる」人が、今更何を…

文章を素早く読むと何かいいことがあるのか?

私は、詩や小説等、文学作品を素早く読むことが苦手な方だと思う。型が決まっている論文だったら、あっという間に(飛ばし飛ばし)必要な情報を得ることができる。しかし、文学作品は、その世界に入るのにとても時間がかかる。好きな歌手の新曲、CDを買っ…

国語科授業で身に付けさせたい力

国語科授業でどんな力を付けられるのか、付けさせるべきなのかをリストアップしている。リストに照らし合わせることで「ただ教科書に載っていたから」とか、「この活動をやりたいから」が避けられると思って。他に何かあるかな? ①音声言語を(効果的に)話…

言葉を大切にするということ

後期授業「中学校高等学校国語科授業づくり演習」が今日から始まった。ここ数年に無いほど履修者が集まった。この授業では、国語の授業をどうやって作っていくのか?というのを履修者がそれぞれ担当し、題材を提供しながら、対話しながら固めていくものなの…

作文の授業は何のため?(教科書にツッコミを入れる)

国語の教科書には各学年に「作文の書き方」が掲載されている。教科書に書かれてあるやり方そのままを行うと、そのやり方(方法)をおこなう事が目標となってしまう。教科書内容にツッコミを入れないと授業デザインは作れない。最初に以下のツッコミが必要に…

学部3年生俳句授業(高校3年 文学国語)

毎年今頃連携している高等学校で学部3年生が授業実践をさせてもらっている。9月からの初等教育実習に向けて、1単元の授業をすることによって、自信を持つことが狙いだ。ただ経験を積むことだけではなく、模擬授業用ではない、本番の授業デザインをしっか…

対話的学びを生み出す課題の具体的な作り方

学部2年生の授業「教育実践基礎論」では模擬授業が始まっている。例年どおり課題作成に手こずっている。課題作成のコツ(といっても、とても難しいが、本当の「学び」が生まれる課題作成の考え方)をまとめた。 0) その教科の学びが生まれるもの 1) 明確な…

国語科授業「掛け違え」あるある

国語科授業を作っていたり、授業を観ていたりすると、「あれ?なんだかずれてきているぞ?」と気づくことがある。学生さんが模擬授業を作るときによくあるのが、 今まで受けていた授業の活動(課題)をそのまま取り入れ、どうしてそれを行うのか全く考えてい…

「相手の意見は否定しないで」で対話は生まれるのか?

否定しない会議 「否定しない」というのは、頭ごなしにダメ出ししないということ。 「否定しない」というのは、その場を成り立たせたり、その人が喋っていたら、最後まで聞くということ。 途中で相手の話を止めてもいいはず 「否定しない」という「呪い」 適…

Kは長門有希だった

こゝろ (角川文庫)作者:夏目 漱石KADOKAWAAmazon涼宮ハルヒの消失Amazon K(こころ)は長門有希(涼宮ハルヒの憂鬱and消失)だった。 と「涼宮ハルヒの憂鬱」、「涼宮ハルヒの消失」を見終えて思った。もう過去に何度見返したのだろう?「憂鬱」は3回目、…

国語科授業での様々な 「対話的学び」の生起す る授業デザイン

長野県教育委員会と上越教育大学教職大学院のコラボ企画でタイトルの講座を行った。ここ2年間オンライン講座なので、「対話」というテーマなのに、もどかしくてしょうがない。しかし、長野県総合教育センターの方々のご尽力で去年よりもスムーズに講座は進…

七夕句会

大学院授業「中学校高等学校国語科授業づくり演習」で句会を行った。昨年の梅雨の時期も受講者と私で句会を行ったのだが、昨年は私が「ほしとんで」を読んで、それに書かれてある句会を見よう見まねで行った。ほしとんで05 (ジーンLINEコミックス)作者:…

「実用的な文章」学級日誌

今日の大学院授業「中学校高等学校国語科授業づくり演習」では、今年度から始まった「現代の国語」の実用的な文章を取り上げ、みんなで「どんな課題を設定して授業をしたらいいのか?」と、考えた。その教科書には「実用的な文章」として学級日誌が例の1つ…

手書き文字教育は続くのか?

片桐研究室の学部2年生Hさんは、毎日その日の出来事を手で書いて残しているそうだ。いわゆる「日記」なのだが、「手書き」である必要があるのか?というところから発想し、1人1台タブレットが配布され、手書きで文字を入力せずとも、タブレットにフリッ…

もうあの頃には戻れない

かまいたちのネタに、「おれ、となりのトトロ見てない!」というものがある。見ていないことを自慢する大好きなネタなのだが、見ていないからこそ、これから見る楽しみがあるということを自慢するのだ。そういうことってあるよな、と思う。初読というのは、…

夢十夜 第六話

久しぶりの「高校国語授業研究会」で、夢十夜についてディスカッションした。現代文教科書に掲載されているのは、だいたい第一話と第六話だ。私は第六話しか扱ったことがなかったな。 note.comずいぶんと前、イチローが現役でバリバリ活躍して、たくさんの記…

チャットで連句

コロナ禍のなか、地域によっては授業中の話し合い活動自体を禁止しているところもあるという。じゃあ、そんな中でも共同創作活動ができないか?と思い、一切音声を発しない、チャットを使った連句の創作を学部授業で試みた。チャットはGoogleClassRoomのクラ…

詩の授業デザインの作り方〜一つのメルヘン〜

私の研究室の学生が、7月に連携校でとりあえず2時間授業をさせてもらえることになった。国語で2時間、教科書を使ってとなると、分野が絞られる。俳句、短歌、詩などの文字が少なめのものだろう。作文などの国語表現のようなものもできるかもしれないが、…

授業で句会を開くことについて

「教科の特質に応じた見方・考え方を働かせる授業づくりの実践と課題」と「中学校高等学校国語科授業づくり演習」のコラボ授業として、句会を行った。句会は「言葉による見方・考え方」を意識する上で、効果的であるし、授業に取り入れると言語能力が刺激さ…

伊勢物語「芥川」

大学院科目「中学校高等学校国語科授業づくり演習」が始まった。昨年度とは打って変わって少人数となったので、一昨年のように、各時間1つの題材を取り上げて、参加者であーだこーだ対話しながら読み深め、「核になる課題」を考えていこうと思っている。授…