Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

国語

国語科授業「掛け違え」あるある

国語科授業を作っていたり、授業を観ていたりすると、「あれ?なんだかずれてきているぞ?」と気づくことがある。学生さんが模擬授業を作るときによくあるのが、 今まで受けていた授業の活動(課題)をそのまま取り入れ、どうしてそれを行うのか全く考えてい…

「相手の意見は否定しないで」で対話は生まれるのか?

否定しない会議 「否定しない」というのは、頭ごなしにダメ出ししないということ。 「否定しない」というのは、その場を成り立たせたり、その人が喋っていたら、最後まで聞くということ。 途中で相手の話を止めてもいいはず 「否定しない」という「呪い」 適…

Kは長門有希だった

こゝろ (角川文庫)作者:夏目 漱石KADOKAWAAmazon涼宮ハルヒの消失Amazon K(こころ)は長門有希(涼宮ハルヒの憂鬱and消失)だった。 と「涼宮ハルヒの憂鬱」、「涼宮ハルヒの消失」を見終えて思った。もう過去に何度見返したのだろう?「憂鬱」は3回目、…

国語科授業での様々な 「対話的学び」の生起す る授業デザイン

長野県教育委員会と上越教育大学教職大学院のコラボ企画でタイトルの講座を行った。ここ2年間オンライン講座なので、「対話」というテーマなのに、もどかしくてしょうがない。しかし、長野県総合教育センターの方々のご尽力で去年よりもスムーズに講座は進…

七夕句会

大学院授業「中学校高等学校国語科授業づくり演習」で句会を行った。昨年の梅雨の時期も受講者と私で句会を行ったのだが、昨年は私が「ほしとんで」を読んで、それに書かれてある句会を見よう見まねで行った。ほしとんで05 (ジーンLINEコミックス)作者:…

「実用的な文章」学級日誌

今日の大学院授業「中学校高等学校国語科授業づくり演習」では、今年度から始まった「現代の国語」の実用的な文章を取り上げ、みんなで「どんな課題を設定して授業をしたらいいのか?」と、考えた。その教科書には「実用的な文章」として学級日誌が例の1つ…

手書き文字教育は続くのか?

片桐研究室の学部2年生Hさんは、毎日その日の出来事を手で書いて残しているそうだ。いわゆる「日記」なのだが、「手書き」である必要があるのか?というところから発想し、1人1台タブレットが配布され、手書きで文字を入力せずとも、タブレットにフリッ…

もうあの頃には戻れない

かまいたちのネタに、「おれ、となりのトトロ見てない!」というものがある。見ていないことを自慢する大好きなネタなのだが、見ていないからこそ、これから見る楽しみがあるということを自慢するのだ。そういうことってあるよな、と思う。初読というのは、…

夢十夜 第六話

久しぶりの「高校国語授業研究会」で、夢十夜についてディスカッションした。現代文教科書に掲載されているのは、だいたい第一話と第六話だ。私は第六話しか扱ったことがなかったな。 note.comずいぶんと前、イチローが現役でバリバリ活躍して、たくさんの記…

チャットで連句

コロナ禍のなか、地域によっては授業中の話し合い活動自体を禁止しているところもあるという。じゃあ、そんな中でも共同創作活動ができないか?と思い、一切音声を発しない、チャットを使った連句の創作を学部授業で試みた。チャットはGoogleClassRoomのクラ…

詩の授業デザインの作り方〜一つのメルヘン〜

私の研究室の学生が、7月に連携校でとりあえず2時間授業をさせてもらえることになった。国語で2時間、教科書を使ってとなると、分野が絞られる。俳句、短歌、詩などの文字が少なめのものだろう。作文などの国語表現のようなものもできるかもしれないが、…

授業で句会を開くことについて

「教科の特質に応じた見方・考え方を働かせる授業づくりの実践と課題」と「中学校高等学校国語科授業づくり演習」のコラボ授業として、句会を行った。句会は「言葉による見方・考え方」を意識する上で、効果的であるし、授業に取り入れると言語能力が刺激さ…

伊勢物語「芥川」

大学院科目「中学校高等学校国語科授業づくり演習」が始まった。昨年度とは打って変わって少人数となったので、一昨年のように、各時間1つの題材を取り上げて、参加者であーだこーだ対話しながら読み深め、「核になる課題」を考えていこうと思っている。授…

書いた文章はどのように「伝わ」ってほしいか?

論文や、ブログやSNSなんかに私は文章を書く方だと思う。ブログは毎日は更新していないけれど、「長い文章が書けると何かいいことあるの?」という問いを院生のGちゃんに投げかけてみた。Gちゃんはそれに頑張って答えを見つけようとしている。来年度の…

文章がうまくなりたいって思っているのかな?

院生と「喋れるのに書けない」ということについて、そして「どうして文章を書くのを毛嫌いするのか?」について対話した。作文の課題で、なかなか書けない時に、質問をするとそれに答えられる。「じゃあ、それをそのまま書けばいいんだよ。」と伝えても書け…

冴えない授業デザイン(国語)の作り方 Fine

ということで最終回です。ほとんどこのタイトルで3連載をやりたかっただけなのですが。 冴えない授業デザイン(国語)とは テキストを読み取らない テキストから発想しない テキストに戻らない 短歌の授業デザイン 冴えない授業デザイン(国語)とは テキス…

冴えない授業デザイン(国語)の作り方 ♭

プリント学習 プリント学習の弊害 知識補填のプリント ストーリーが決まっているプリント なぜこうなる? 知識伝達、空欄補充ではない国語授業とは 情報を組み合わせる プリント学習 授業プリントを使い、授業を行うと、とても楽だ。その授業時間に取り組む…

長野吉田高等学校進路講演会&大学授業体験

今年は出前講座で2回も長野県の高校に呼ばれた。長野市にある長野吉田高等学校は、思いの外上越から近かった。土曜日朝イチの講座で、寝過ごしてはいけないと思って5時過ぎに目覚めて早めに出発したが、カーナビの表示を見ると、集合時刻の45分以上も前の…

「山月記」ラップ

今日の「中学校高等学校国語科授業づくり演習」は「山月記」ラップを作るという実践だ。うちのゼミの西岡君の今年のテーマ「ラップ」なのだが、国語でラップを取り入れたら、どんな効果があるのか、未知数ということで実践し、意見をもらう授業だ。ラップを…

読書指導

読書の効果とは? 学習指導要領では? 読書の価値とは? どんな読書指導がいいのか? 朝の読書 結論:全て曖昧に言っているから曖昧な指導しかできない 本日の「中学校高等学校国語科授業づくり演習」のテーマは「読書指導」だった。 読書の効果とは? 基本…

言葉への自覚〜言葉による見方・考え方〜

「自覚」って何? 「対象と言葉」の関係 「言葉と言葉」の関係 言語活動の目的とは? 日本全国で国語科を学ぶ意味 言葉のアンテナ 2020/05/19の「教科の特質に応じた見方・考え方を働かせる授業づくりの実践と課題」では、国語科についてみんなで考えた。高…

三密を避けながら国語科授業で「主体的・対話的で深い学び」を実現するやりかたとは?

私の受け持っている教職大学院プロフェッショナル科目「中学校高等学校国語科授業づくり演習」で、昨年の履修者と今年履修予定者と、埼玉の高校国語の先生とzoomで繋いで討議を行った。現在本学は休講中なので、「annex(別館)」として開いてみた。新潟県内…

欲弁已忘言(純粋経験)

タイトルは「弁ぜんと欲して已に言を忘る」である。陶淵明の「飲酒」という詩だ。詩全体と詩の内容はこちらにある。高校の時にこれを読み、大学の授業でもこれを解釈し、高校教員になっても授業で教えた。「この風景、雰囲気、気分、とても素晴らしいことは…

群読が表現できるもの

「群読」活動を高校国語教師時代から始め、もう20年ほど続けている。国語の授業で、手軽に「表現活動」ができないかと思っていたときに出会ったのが「群読」であった。声を合わせて出すだけで表現活動ができる。これは、スピーチや、作文や、ディベートとは…

群読が表現できるもの

「群読」活動を高校国語教師時代から始め、もう20年ほど続けている。国語の授業で、手軽に「表現活動」ができないかと思っていたときに出会ったのが「群読」であった。声を合わせて出すだけで表現活動ができる。これは、スピーチや、作文や、ディベートとは…

Don’t think. FEEL!

先日の高校生対象の群読講座で、印象的な感想を書いてくれた生徒がいた。 >> 私はグループ活動が正直言うと苦手で、不安でしたが、メンバーの皆と群読をしたことで、気持ちが楽になりました。とても楽しかったです。 << ここに群読(声を合わせる活動)の意…

Don’t think. FEEL!

先日の高校生対象の群読講座で、印象的な感想を書いてくれた生徒がいた。 私はグループ活動が正直言うと苦手で、不安でしたが、メンバーの皆と群読をしたことで、気持ちが楽になりました。とても楽しかったです。 ここに群読(声を合わせる活動)の意義が現…

Don’t think. FEEL!

先日の高校生対象の群読講座で、印象的な感想を書いてくれた生徒がいた。 私はグループ活動が正直言うと苦手で、不安でしたが、メンバーの皆と群読をしたことで、気持ちが楽になりました。とても楽しかったです。 ここに群読(声を合わせる活動)の意義が現…

柏崎高等学校群読講座

2年連続2回目で、出前講座として呼んでもらった。群読講座をおこなった。柏崎高等学校の生徒さんは、熱心に取り組むし、真面目だし、ノリノリだし、去年同様とても気持ちよく講座をおこなえた。そして創作した群読作品もすばらしいものだった。群読体験は…

文章を読む

内田樹先生が言う「中腰」と言うことが,何となくわかってきた気がする。本当にわかったというわけではない。難解な文章を読んでいて,当然わからないのだ。わかろうと何回も読むのだが,わからないのだ。そんなのはよくあること。こんな内容をすらすらわか…