Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

漢字指導

今日も全くの直感に基づいて書いています。

以前このブログで漢字や文字の指導が以前に比べると困難になってきたと書いた。何の字か区別がつかない字になっているというものである。

原因として、書いた文字を他者に読ませる機会が減ったとか、携帯のディスプレイには省略された漢字しか表示されないとか、いろいろ考えられるが、感覚的には文字認識の根本がわれわれの世代と違っているような気がする。

それは「意識」の違いなのか、習慣の違いなのか、脳の機能の違いなのか、なんだか分からない。

漢字は表意文字である。仮名(かな)は表音文字である。日本人はその二種類を同時に使える数少ない文化を持っているそうだ。

漢字を見る(読む)とき、まず何という意味かが先に来て、次に読みが来る(ようなきがする)。「三」というときは、「3」という抽象的な意味が来て、「さん」なのか、「み」なのか「ざん」なのか浮かび上がってくる。

しかし「さん」と平仮名で書かれたときは、読みの方が先に浮かんでくる。そして「3」なのか、名前に付ける敬称なのか、前後の文脈で判断する。

漢字の指導は、まず「よみ」・「かき」が先に来る。「意味」はあまり問題にされない。漢字テストで「よみ」と「かき」しか問題にされないからだ。そして「かき」の場合は「かたち」が問題になる。

そこで、次のような漢字練習問題を作ってみた。池田修さんの「教師になるということ」に載っていたものである*1。私は「ゲシュタルト崩壊漢字テスト」と名付けてみた。期待する効果は次の通り。

  • 意味をいったん崩壊させ、不安にさせることにより、自ら再認識してもらう。を考えた。
  • 文字の違いを注意深く見ることにより、「かたち」を意識する。

こんなものである。(ちょっと文字が小さいので、見づらい人は、拡大させてやってみてね。)

問:次の漢字群の中で、違う漢字がいくつかある。その漢字に○をつけ、その漢字の読みを全て記しなさい。

答答答答答答答答答答答答
答答答答答答答答答答答答
答答答答答答答答答答答答
答答苔答答答答答答答答答
答答答答答答答答答答答答
答答答答答答答苔答答答答

どうなるかな?ただの遊びだったりして……。