Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

他人の態度

他人の態度

他人の表情を自分に都合の悪いように受け取ってしまう傾向がある。あいさつしても返事が返ってこなかったら、「もしかしたら、自分のこと嫌っているのかな?」とか、メールを送ったけれど、なかなか返ってこなかったら、「変な内容を送っちゃったかな?」とか。

でもだいたいそれらは勘違いで、あいさつが聞こえなかったり、あいさつしていた時に考え事をしていて気づかなかったりする。携帯電話をどこかに置き忘れていて返信できなかったり、誰かと会っている時で、メールなんてできない状態だったり。

なぜ都合の悪いように受け取るのか?それはそっちの方が都合が良いからだ。最悪の事態を想定していて、それよりも良かったら「取り越し苦労」ということで、安心できる。安心するために都合の悪いように受け取るのだ。

でも、「なーんだ、そうだったのか。」とわからないことが続くと、不安が続く。不安が続くと自分が悪いんじゃないかな?と思ってしまう。そうするとその人との間がぎくしゃくしちゃって、不安な状態を解消するために、自分も相手を避けるようになる。

でもたいていそういうときは、「でも、実は……。」ということが多いのだ。あなたとは全く別の原因でイライラしてあなたに八つ当たりしているかもしれない。そういうときの方が多いのだ。だからあなたのことを直接嫌っているわけではないのだ。そして本人はそのイライラの原因がわからない時も多い。学校や友達や親に腹を立て、でも何に起こっているかわからないから、身近なあなたに嫌な顔をするのかもしれない。若い時には良くあることだ。

だから一番いいのは気にしないことだし、ぎくしゃくしているのが長引いている時は、ちょっと距離を置くというのも一つの手だ。

人間の感情のトラブル解消で最も良い方法は、「時間をおく」だ。時間をおくとかなりの部分で解決ができる。人間は忘れられる生き物だ。必要なことも必要でないことも、嫌なことも良いことも忘れられる。忘れられなくても薄められる。

何でもかんでもアクティブに解決するのが良い手段ではない。「放置する」ことも良い解決方法だったりする。