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上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

学年末考査まで1週間

学年末考査まで1週間

学年末考査である。「学年末」ということは、1年生の集大成だ。4月に中学校から高校に上がって、皆さんの「学び」はどのように変化しただろうか?中学と高校の「学び」は違って当然だ。レベルが高くなって当然だ。

そのレベルとは、時間のことでもあるし、質のことでもある。

高校受験前はがむしゃらに勉強した人も多いだろう、しかし、高校に入学して平日1時間程度しかせず、考査前の平日に2~3時間という人も多い。

これは高校の勉強のレベルなんだろうか?うちの小学校5年生の子どもだって、宿題をやって、音読をして、ちょこっとチャレンジ5年生をやれば当たり前のように1時間になる。みんながこれと同じレベルでいいわけがあるはずがない。

高校生なら高校生の勉強時間というものがあるはずだ。

質に関しては、「答えを写す」というものが低レベルであるのはわかるだろう。しかし、時間に追われてそればかりしていると、それが勉強であるかのような錯覚にとらわれる。「答えを写す」と同じ事は「黒板の文字を写す」である。これは勉強でも何でもない。黒板の文字を写しながら、その情報を自分のものにするためには、「考える」ということをしなければならない。

よく現代文で黒板に書かれたことをノートに写して、勉強したと勘違いする人がいる。しかしそれは何にも勉強していないのだ。黒板に書かれてあることを理解するという頭の働きをしなければ、現代文の勉強をしたことにならない。

黒板に書かれたことは結果であることが多い。どうしてその結果になったのかという過程を理解しなければ、結果だけをノートにとっても意味はない。過程を理解するためには、頭を働かせ、教師の言っていること、仲間の言っていることを自分の考えと照らし合わせて考察しなければならない。

質の高い学びをするためには頭を働かすということが必要だとわかるだろう。しかし、頭を働かせないことが身につくと、どうにもこうにも働かせることが難しくなるのだ。思考停止が身についちゃう。

思考停止に陥ると、簡単にだまされる。雰囲気に流される。正しいことがわからなくなる。こうなると幸せになるのが難しくなる。

みんなで幸せになろう。