新潟県立新潟西高等学校に呼ばれて総合的な探究の時間推進のための講演会をしてきた。
最近は元同僚がいろんな役職について、呼ばれることが多くなった。めちゃくちゃな高校教師をしていたにもかかわらず、こうして呼んでくれて再会を果たせるということはとてもありがたいことだ。「お久しぶりです」といって声をかけてくれる。年月というのは、嫌な部分は都合良く忘れ去ってくれるものなんだろう。ありがたいことだ。
新潟西高等学校には、2020年にも探究の講演会をした。その当時は「これから導入するけれど、どのような学びを作っていけばいいのか?」というものだった。今回は新カリキュラムになって始めたけれど、もっと良い学びにするにはどうすればよいのか?ということで依頼を受けた(と思っている)。
探究といっても、総合的な学習の時間から変わり、「探究」にフォーカスして学びを作っていかなければならない。かといって、時間と予算が特別に確保されたわけではない。今までは「総合」ということである意味「ごまかせた」部分もある。「教科以外の学びを作っていけばいいのかな?」とか、「教科を組み合わせた『総合的』な学びを作っていけばいいのかな?」とか。
しかし「探究」なのだから、探究しなければならない。当たり前だ。SSHを導入していない普通高校が出来ることはとっても限られているので、この投稿のタイトルで講演を作った。
1. 探究的学びが求められる背景
- 一般的に考古当学校の教室で行われている授業では、探究的学びが難しいから「総合的な探究の時間」が導入された
2. 探究での学びとは?
- オリジナリティーが大事
- 「問い」を自ら見つける
- 探究方法を自ら見つける
- 信用できる情報をエビデンスとする
- 過去の「分かったこと」の上に新たなものを積み上げる
- 自分の出した「答え」に自分で「意味」を見いだす
- ランキングには表せない探究成果
- 教科の枠におさまらないことも学べる
- ペーパーテストで点を取るための力では身につかない力を身に付ける
3. 限られた時間と予算の中でやれる「探究の時間」デザイン
- 担当の先生は、ファシリテーターとなり、専門家に任せる
- テーマは各自が決めることにより、主体的になる
- インターネット、大学を活用する
4. 意義と裁量と公開が「主体的な学び」のキーワード
5.「成熟」とは「複雑化すること」
- 学校を格付け機関にしてはいけない
ChatGPTの話も出して、ChatGPTで答えてくれるような結果を学習者に出させるんだったら、AIに任せちゃっていいのでは?オリジナリティーが大事なんだから、誰も気づかない問題、誰も到達できない結果を求めなければ「ペーパーテストで点を取るための力」と同じような力しかつかないよ、として話を終えた。
かといって、大仰な探究テーマを求める必要は無く、私が2006年国語表現で行った「日本語に関する論文」という課題研究っぽいものの事例を紹介した。
入試作業中、学年末考査期間でありながら、たくさんの人が来てくれた。ありがたいことだ。時間をかけて準備をした甲斐があった。
これで今年度の出前講座や講演会はおしまいの予定。