Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

まだまだ精進が足りなかった

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新潟県立高田北城高等学校で生徒向けの講演会で「高校時代に身に付けたい能力」というようなテーマで話してきた。4月中頃以来があって、その後休校期間があり、講演会は開催できるのか?と不確定だったが、ちょうどフルで学校生活が再開される日の講演会だった。

担当のM先生は、それまで丁寧にメールでやりとりしてくれて、準備万端な状態を作ってくれた。玄関でとても気持ちいい笑顔で迎えてくれた。

私はというと、いつもの癖で、講演が決まると「あんなことも喋りたい、こんなことも喋りたい」といつもぼんやりと講演のことが頭にあるような状態になる。本やテレビなどの情報から「あ、このネタ使える」と思いつき、どんどんとスライドに書き加えていき、気がつくと130枚となっていた。

講演の時間は60分だが、紹介の時間や質問の時間を考えると、賞味50分ぐらいなんだろうとはわかっていたが、その感覚がまだ復帰していなかった。スライド130枚作ったら、絶対に全て紹介できるはずがないと、冷静な今だったら判断できる。しかし、対面で、約250人相手に話すという、最近全然そんな体験がなかった私にとって、その肌感覚が全くなかった。

しかも、全員マスクをしていて、表情がよくわからない。いつも、私の話芸だけで場の空気を温かなものにはできないとわかっているから、参加者の中に入って、ちょっと質問したり、いじったりして空気を温める手法が全く使えなかった。いつもだったらハンドマイクで後ろの方まで歩いて行ったのだが、勝手に「自粛」をしていた。うーん、困った。

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と言うことで、どんな反応なのかもわからず、スベっているのか受けているのかもわからず、時間があと20分というところで、スライドの半分もいっていない。用意した、参加者に出すクイズを紹介する時間なんて全くないことに気づく。ああ、このまま、喋り続けて時間が来るのかと、愕然としてしまった。

スライドは何度も見返して、全体のストーリーは把握していたのだが、はしょったせいで、どうしてこれがこう繋がって、こう言いたいのかが、支離滅裂だったんだろうと思う。

よかったのは、唯一時間通りに終わったこと。

今回の敗因
1)時間配分の感覚が欠落していた。
2)過剰な自粛で参加者の間に入っていくことができなかった。
3)スライドを多くすれば、伝えたいことが薄くなるということに気づかなかった。
4)反応がよくわからない状態で、小ボケを用意するのは自殺行為だった。

精進せねばならぬな。

Zoom+対面授業 その2

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今日の授業の私の目標は、Zoom参加メンバーと対面授業参加者の融合だ。簡単に言えば、Zoom参加者と対面参加者で対話的学びを仕組むのだが、結果的にはうまく言ったと思う。

私は写真のとおりAirPodsを付けた。MacBookProにAirPodsを認識させればうまく行くと思いきや、そうではなかった。Zoomの音声入出力が何を選んでいるのか確認しなかった。だからZoom内でハウリングを起こしていたり、こちらの声は届くが、あちらの声が聞こえないというようなことが起こった。

Zoom画面のマイクのアイコンで設定が変えられる。そこでAirPodsを選ぶことで、事なきを得た。

しかし、対面者とZoom参加者と同時に対話するのは、かなり大変だった。対面者の音が遅れて届くのだ。いっこく堂である。対面者の声は、空気を振動して聞こえた後に、インターネット経由で聞こえてくる。これが困った。両耳に着けいてたAirPodsの片方を外した。外してケースの中に入れた。片方だけ外した状態では、片方のマイクから音を拾うのだろうか?そこら辺が不安だった。これで対面者の声ははっきり聞こえる。しかし、片耳からは遅れて届く。

自分が喋らないときはミュートにするというのは、基本なのだが、解除しないで話してしまう。うーん、もうちょっと感度を上げるというか、下げるというか、AirPodsを使っている時は、近くの声だけを拾ってミュート解除をして欲しい。会議用マイク&スピーカー(スピーカーフォン)を使えばここら辺はクリアーされるのだろうか?

今回はiPadAirのアウトカメラで教室全体を撮したので、前回よりも画質はよくなったかもしれない。iPadAirにはイヤフォンジャックがついているから、そこにステレオミニプラグを差し、教室内のスピーカーでZoom参加者の声を流せるようにした。新しいiPadにはもうイヤフォンジャックはついていない。音の問題はややこしいので、残して欲しかったとも思う。USB-C端子で、HDMI接続の選択肢しか無くなった場合、音がうまく流せるかどうかは不確定だ。

少なくとも、今使っている教室では、なぜかアップル製品がHDMI接続できない。Windowsマシンだと繋がるのだが。こういうことが起こるから、便利なようなハイテク機器も実は便利では無くなるということが起こる。アナログ接続だったら、頭の中でイメージできるから、何とか工夫して接続出来るような気がするが、もうお手上げ状態である。それほどハイテクにして、教育効果は上がるのだろうか?そこが疑問。

シシリアン・ゴースト・ストーリー

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高田世界館視聴 2018年イタリア

亡くなった人への鎮魂の映画なんだろう。語り継ぐことこそ鎮魂になり得る。それが映画という媒体になったということだ。

13歳から16歳くらいの少年・少女たちが主人公だ。少女は親に全く理解されず、挙げ句の果てには気がふれたと病院で治療を受けさせられる。少年は大人に人権を拒否され監禁される。少年・少女たちが大人たちに拒否され、少年・少女たちも大人に迎合していない姿が描かれている。

これは悲劇というにはその言葉がチープになる。幻想であり、ホラーでもあり、ファンタジーでもある。観ていてとってもやるせない。はっきり言ってよくわからない映画。最近は、よくわからない映画をよくわからないまま受け入れられるようになって来た。そんな映画の見方もあるんだとようやくわかってきたのかも。

最近そんな映画ばかり高田世界館で観ている。調べたら配信で500円程度で観られるようだが、1,100円(誕生月だから会員割引!)払って高田世界館で観ないとあの味わいは得られなかったと思う。


映画『シシリアン・ゴースト・ストーリー』予告編

かわら亭

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2週に1回のサウナを目指そうと思う。かわら亭には残念ながらサウナにテレビが入ってしまったので、私のベストサウナとは言えなくなってきているが、今のところ仕事の後行けるところではここしか行く気がしない。料金も通常の800円に戻ったので、回数券でも買おうか?と思う。今回はポイントカードで入った。

サウナもテレビが入ってしまったから、私しかサウナにいないのであれば、テレビを切ってしまおうか?とも思っていたのだが、残念ながらそんな機会は全くなかった。常に誰かがいた。1人タオルも持たず、平気で咳をしている私よりも若い人がいたのだが、非常識と言っていいんじゃないか?

サウナの内張が新調され、檜の引き締まった香がしているのは、気持ちがよかった。でもテレビが無い方がいいなぁ。

サウナ自粛前は、すっかりととのわなくなった体なのだが、自粛後は3回連続でととのっている。ととのわなかったのはサウナに慣れてしまったからなのだろうか?あの時は何のためにサウナに行くのか?と自問自答している時期だった。ととのいのためでは無く、自分を見つめるためなんだと、禅僧のような気持ちにもなっていた。

今日は気温がとても高かったが、微風も吹いていて、鳥のさえずりも聞こえ、流水の音も充満し、とてもよい外気浴だった。ずーっと外気浴していたい気持ちだったのだが、かわら亭では石の上に座って休憩するので、だんだん尻が痛くなってくるのだ。ベンチがあったらなぁといつも思う。同じ値段だったら、川口温泉の方がよいのでは?と思ってしまうのだが、遠いので、仕事帰りには行けない。川口温泉には休みの日にしか行けないなぁ。

今日のととのい度→4 ☆☆☆☆★

ON・OFFライン授業

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今週から対面授業をおこなった。対面授業ではないと効果が期待できないからだ。今までZoomで大学外の方も参加していたので、Zoom参加もできるようにしようと思い、私の持っている機器を駆使しておこなおうとした。

Zoomには、MacBookProでログインし、ホストとなる。私の持っているiPadでもログインし、自動的に共同ホストになる。iPadでは教室全体を撮すようにし、このiPadからZoom参加の方の音声を聞いたり、教室内の音を拾うようにする。MacBookProでは、こまごまとした設定をする。チャットを書いたり、ファイルを送信したりなどだ。

40分以上前に教室に乗り込んでセッティングしていたのだが、プロジェクターに映らない。なんだかよくわからないスイッチャーがあるのだが、そもそもそれが反応しないのではないか?スクリーンをおろすリモコンも見つからない。うーん、Zoom参加の方と教室の受講生でやりとりをするために、教室横のスクリーンを使おうと思ったのだが、プロジェクターに電源は入るが、映らない。

そんなこんなでZoomに参加する人はどんどん参加するし、受講生もやって来て、授業開始の時刻になってしまった。この授業は、私がしきるわけではなく、毎時間担当者が進めていくので、私はAV機器を機能させることに集中した。結果的にはお手上げで、教育支援課の方を呼んで、やってもらったのだが、結局接続しない。うーん、困った。最終的には裏技で、マニュアルに書いてない別の系統で前のスクリーンに映すことができて、事なきを得た。

アームを使い、iPadの画面を教室内に示し、Zoom参加者とやりとりできるように見せた。iPadのマイクもミュートにしないと、教室内の音がZoom参加者に伝わって対話に集中できないということで、ミュートが必要だった。

全体討議の時、音がiPadのスピーカーだと大きくないので、何とか教室のスピーカーで流すことができないか?と考えた。初めマイクを使って音を拾おうとしたが、ハウリングで爆音が流れてしまった。こういう場合って、ハウリングが問題なんだよなぁと悩み、iPadのステレオミニジャックをミキサーに繋いで流してみたらうまくできた。教室内の音をiPadのマイクが拾ってハウリングにならないのか?と思ったが、Zoomは、音を拾うマイクは必ず1人分なので、大丈夫だということがわかった。つまり、教室内のマイクがZoom経由で1つだけだったらハウリングは起こさないということがわかった。

つまり、Zoom参加者と教室内とで対話的な学びが可能だということになる。と言っても、Zoom参加者の声が教室内に響くと他のグループの対話の邪魔になる可能性があるので、その場合はイヤフォンで音を聞き取らなければならないということになる。これはちょっと面倒くさいか?でも、次の時間はそうやってみようと思う。これは、オンライン授業の可能性が広がるような気がする。全部オンラインだと得られる情報が少ないので、疲労するが、教室内の授業が基本で、そこに足を運ぶことができない人はZoomで参加し、教室内のリアルタイムダイナミック性があると、それがZoomに伝わるのではないか?とも期待する。

Zoomを起動しているとき、iPadのスピーカーが完全にミュートにならないのはどうしてだろうか?それがとても不便である。ステレオミニジャックにプラグを差すとミュートになるから、それで対応せねばならぬ。

今日は冷や汗が出たが、次はもっとうまくできるだろう。私も対話に参加できるだろうと思う。

レ・ミゼラブル

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2020年 フランス
高田世界館視聴

ヴィクトル・ユーゴー作ではない。ヴィクトル・ユーゴーの作った話の舞台となった場所での話。高田世界館が再開したので、「未来のチケット」を買っていたから、すぐさま観に行った。

事実をもとにしたフィクションということだが、どんどん取り返しのつかない最悪の状態に陥っていく恐怖が描かれていた。何も救われない。そういう現実が現代のフランスにある。もちろん各国にある。どこの時点で選択肢を間違えなければ、この最悪の状態は回避できたのか。

高圧的な警官が犯罪が多発する街を暴力的に取り締まっていく。暴力的じゃないとなめられるという。その暴力が暴力を生み出し、エスカレートしていく。今アメリカで起こっている暴動もそういうことなのだろう。

最後にヴィクトル・ユーゴーの言葉が響く

悪い草も 悪い人間もいない。 育てる人間が悪いのだ

かわら亭

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かわら亭が再会した。そして今シーズンの外の水風呂も再開した。いろいろ営業に制限があるので、800円のところ600円で入館できた。コロナウイルス感染症対策でいろいろ制限があるが、来客も多いのか?と思いきや、それほどでもなかったので安心した。

サウナに入ってびっくりした。テレビが設置されていた。いつの間にか?新潟県内のテレビがない数少ないサウナだったのだが、残念だ。あのやすらぎはもう感じることができないのか。がっかり。

サウナのマットは間隔が空けられていて、6人くらいしか座れなくなっている。今回私が入ったときに5名だったときがあった。休日には一体どうなることやら?

とはいえ、久しぶりの外水風呂。ととのわないわけがなく、気温20℃で微風が体に当たり、気持ちよかった。2サイクル目で完全にととのった。

5月いっぱいまで食事のテイクアウトをやっていたので、鶏の唐揚げと牡蠣フライを注文した。うまかった。テイクアウト、続けてくれないかな?

今日のととのい度→5 ☆☆☆☆☆