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上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

アンチ点数至上主義

アンチ点数至上主義

点数にこだわるのはよくわかる。だって中学校3年生の頃は、点数を上げることに躍起になっていたでしょう。

点数というのはとてもわかりやすいし、得られたのか失ったのか一目瞭然だ。

ところが、だんだん世の中のことがわかってくると、点数だけでは計れないこともあるということもわかってくる。あの人と私では彼のことがどっちが好きなのかなんていうことを計るスケールなんて存在しない。

しかし学校では点数至上主義がまかり通るところがある。学校だけが社会だと思ってしまうと、社会におけるいろんな価値というのは全て数値化できて、数値が高い方が上位で、低い方が下位だと思ってしまうし、周りの大人もそういう指導をする人がいるから、それに乗っかってしまいがちになるのはわかる。

でも、世の中それだけじゃない。

わかりやすく数値を使って説明するけれど、現実はこんなにわかりやすいことじゃないと思って読んでほしい。

Aさんの持ち合わせているある基準における能力が60点で、Bさんが80点だったとする。

これだけだとAさんのほうがBさんよりも能力が低いということになる。Bさんはコツコツ勉強して85点になった。Aさんは周りに働きかけて、Cさんの点数を40点から50点に上げるきっかけを作った。Dさんの点数を30点から40点に上げるきっかけを作った。教室の雰囲気を良くして、20人の点数を1点ずつ上げるきっかけを作った。

こういった場合学校だとBさんの方を評価する人が多いけれど、私はAさんの方を評価する。もちろんBさんは頑張って5点アップしたというのは素晴らしい。これはみんなが認めることだ。でも、Aさんの方が社会に出たら必要と思われる人だから。Aさんのことを評価する人は残念ながら学校内ではそれほど多くないかもしれない。「人のことはいいから、自分のことをやりなさい。」と言う人もいるだろう。

でも社会に出るとAさんを評価する人は圧倒的に多くなる。これは断言できる。この、点数に表れない能力こそが社会に必要なのだ。

だから私はアンチ点数至上主義だ。