Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

まんぷく

長谷川博己安藤サクラという2人の好きな俳優が出ているので,楽しみに観ている。観ていて,上手な俳優,魅せる俳優というのが,何となくわかってきた。

特に長谷川博己を観ていると,普通の,真面目な演技をしていても,「絶対に,心のどこかに狂気を隠していて,いつか爆発するはず。」という期待感で観てしまう。ちょくちょく「まんぷく」のシーンにも,感情が爆発する場面があり,「出た出た」なんて思ってしまう。

長谷川博己の映画で,「地獄でなぜ悪い」が一番好きだが,一途に信念を貫き,端から見ると狂気の沙汰としか思えない演技がすばらしい。

同じように安藤サクラもそんな感じだ。最近見た映画は「万引き家族」だが,「100円の恋」なんかを観ていると,え?安藤サクラ何歳なの?と思ってしまう。「まんぷく」は,はつらつ笑顔の演技だが,絶対に裏にドロドロした部分を隠していると思ってしまう。

こういうのが「芸の幅」ということなんだろうと思う。でんでんや,ピエール瀧が何かのドラマに登場して,善人ぶって笑顔の演技をしていても,「絶対2〜3人裏で人を殺している」と思いながら観てしまう。

若い役者とか下手な役者は,その役が全てになってしまって,奥深さを感じさせないから,薄っぺらい演技になるんだろうなぁと思う。