Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~

2023年京都アニメーション イオンシネマ新潟南視聴

新潟ではイオンシネマ新潟南でしかやっていない。ミニオンズカード得点で観られるのかと思いきや、一律1,500円だという。70分の映画で1,500円かぁ、とちょっとコスパが引っかかっていたのだが、響け!ユーフォニアムは、映画館で観るべきものだった。音が全く違う。音楽映画は家のしょぼいテレビで観てはいけないというのがよく分かった。腹に響くブラスの音が心地よかった。

響け!ユーフォニアムシリーズは、ずいぶん好きで、再放送から追って、dアニメストアを契約して再度観て、映画化されたものも追って、既に追いついていたので、最新映画も観に行った。そして2024年春から新たなシーズンが始まるというので、観に行くおっさんは俺だけでは?という懸念も振り払って、勇気を出して観に行った。そして、こういう映画は、あっという間に上映終了するということを身に染みて分かっているので、上映開始の次の週に観に行った。最近はイオンシネマ新潟南の常連と化している。

京アニは高校部活ものが大得意で、作るアニメは全て自分としては共感してしまう。高校時代、夏の暑い日、部活動頑張っていたし、高校教師時代も夏の暑い日、むやみに指導していた。自分の高校時代や、高校教師時代の部活動に関して、光や闇、酸いも甘いも、かなり知っているつもりだ。そんな微妙な感じや雰囲気を上手く絵がているのが京アニ高校部活動ものだと思っている。だからこんなに見入ってしまう。

自分は音楽をやっていたわけではないけれど、「コンテストなんて嫌い」という登場人物、「コンテストは必要か?」と思いながら、コンテストに打ち込む登場人物、そこら辺の矛盾と折り合いをつけながらもがいている登場人物に共感してしまう。

だから、最近、ステレオタイプ的に「部活動無用論」、「部活動顧問拒否運動」と、部活動なんて打ち込んだこともないし、顧問にもなったことがない人が息を荒くして言っているのだが、残念ながら、そういう人には、つらさや切なさや味わい深さや達成感や充実感や自己マネージメント力なんて、味わったり、育ったりしない。

自分がコントロールできそうなものしか体験しない人、経験しない人、接しない人は、きっとそれほど「複雑な」人間にはなれない。

ちょっと話は大きくなってしまったが、京アニ高校部活動ものはそういう葛藤を描いているから、面白いんだと思う。