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上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

授業の目標はどのように設定する?

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今日の学部の授業で、模擬授業を観察した後、「やっぱり、目標設定が難しいね」という話をした。そこで

目標設定には「付けてほしい力」を示す。「力」には、「見方・考え方」と「技術」がある。

と示したら、質問のメールが来た。「見方・考え方」は今まで言われていたからなんとなく分かるけれど、「技術」がよく分からないと。

こんな風に返信した。

技術としては、今日のYさんの授業に関していえば、Yさんは、「言葉というのは限定的な機能しか無い」という「見方・考え方」を身に付けさせたいというのが目標でした。

この授業を「相手に伝わる言語技術を身に付ける」という目標で授業することも可能だったと思います。相手に伝えるためには、どのような工夫をするのか、言葉の選び方だったり、抑揚の付け方だったり、言い回しだったり、表情だったり、これらを身に付けることは「技術」となります。

算数でいうと、「九九を覚える」ということは、「技術」であり、「かけ算の仕組みを理解する」というのは「見方・考え方」となります。小学校の教科の目標では、低学年に行くにつれて「技術」の方が多くなるのではないでしょうか?

大学でいえば、「理論」が「見方・考え方」であり、「実践」が「技術」という対応になると思います。もちろん、小・中・高校でそれらを同時に目標設定することが可能ですし、目標設定した授業もあります。いずれにせよ、意識することが重要です。

目の付け所がいいですね〜。

返信が来た。

見方考え方は知識?や認識?に近いものでしょうか。

見方考え方だけを持っていても機能しませんし、技術だけ磨いても裏付けがないのではいけませんね。技術と見方考え方両方育成する必要が理解できました。

このように答えた。

「見方・考え方」は、「知識」、「認識」というよりも、「フィルター」だと思って下さい。

「それを学ぶことで、見えるようになる、考えられるようになる」というものです。

例えば、「負の数」というのは、「見方・考え方」であり、そのように考えられるようになることで、「負の数」は存在してきます。「「マイナス1」というのがある」という知識を得たからといって、「負の数」を使って物事は考えられないということです。

もっといいたとえや、具体例がないかな〜。