Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

なぜ君は総理大臣になれないのか

2020年 日本 ネツゲン Amazon Prime Video視聴

香川1区の小川淳也氏が初立候補をした2003年から追ったドキュメント映画。

衆議院選挙の結果が出たので、Amazon Prime Videoで406円を払って観てみた。ちょっと前から #町山智浩 さんからの情報でこの映画は知っていたが、昨日の選挙結果で小川淳也さんが当選したと知ったので、観る気になった。そして、続編の映画を制作中というから、昨年公開されたこの映画はまず観ておかなければと決意した。Amazon Prime Videoでペイ映画を観るのはほとんどないのだけれど、世の中に、今見ておかなければならない映画というのはあるものだ。

www.nazekimi.com

霞ヶ関の官僚を30代で辞めて、地元の香川1区から何のツテもないのに立候補する。監督は、「面白そうだからとりあえずカメラを回してみた」と撮影の動機を語っていたが、小川淳也さんの言葉に引きこまれて、取材を続けて、昨年17年の取材分を公開したのだ。

ドキュメント映画の中でも、制作側の意図がそれほど濃く現れていず、過剰な演出も感じられず、だからこそ、小川淳也さんの言葉がダイレクトに伝わってくる。あ、この人、歯に衣着せず、思ったことを何でもカメラに向かって言っているんだ、と思った。

首相や政権に対する不満や、自分が所属している党首への批判も、どんどん言う。だから、この人の言葉は信じられる、と思ってしまう。若いときに言っていた言葉、

選挙は51対49で勝ったとしても、外見上は100対0で当選したか落選したのどちらかしかない。

しかし、政治家は、51で勝ったとしても残りの49のためにも政治を行わなければならない。しかし、今は、自分を支持した51のためにしか政治をしてないじゃないですか。

これがぶれていない。

www.youtube.com

映画を観た後、このYouTube動画を見たのだが、政治家の当選の挨拶を、これほどじっくり、しかも笑いながら観たのは初めてだった。

2016年の選挙の時には、それぞれの政党の上層部がなんやかんやあって、離合集散に翻弄されている小川淳也さんの葛藤がそのまま描かれている。いやぁ、現実にあったことだし、当事者たちは苦しんでいたことなので、こういっちゃ悪いが、とても面白い。そうか、地元ではこういうことがあったのか、と驚いた。きっと各選挙区でもこういうことは起こっているんだろうな。

それにしても、「希望の党」って、何だったのか?忘れっぽいので、5年前のこんなこと、すっかり忘れていたのだけれど、民の生活を考えていないから、平気でこんなことやれるんだろうな。勢力を保持する、拡大するということを優先するから、権力をかさにかけてやりたい放題、ちょっと風向きが変われば、あっという間に手を引く。残された人の虚無感なんて想像できないんだろうな。

今回の衆院選の結果も入れた続編は年内に公開の予定だそうだ。
www.kagawa1ku.com