Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

国語科授業で身に付けさせたい力

国語科授業でどんな力を付けられるのか、付けさせるべきなのかをリストアップしている。

リストに照らし合わせることで「ただ教科書に載っていたから」とか、「この活動をやりたいから」が避けられると思って。他に何かあるかな?

①音声言語を(効果的に)話す、聞く

 ・音素
 ・発音
 ・音量(強弱も含む)
 ・スピード
 ・間(句切りも含む)
 ・適切な語を選ぶ
 ・時間性(聞くには時間が必要=一瞬で内容を把握できない)
 ・時間的消滅性(音声は底に留まらない)=記憶メモリが必要
 ・話し手は単独でなければ伝わらない

②文字言語を(効果的に)書く、読む

 ・識字
 ・運筆(習字、書道等)
 ・仮名、漢字、ローマ字、記号
 ・適切な語を選ぶ
 ・空間性(表現、受け取りには文字が書かれてある空間が必要)

③標準語を使えるようになる

④方言を守る

⑤伝統文化を継承する

 ・過去の資料にアクセスし、読み取れる
 ・文学作品や資料等に表されている文化を理解する

⑥言語で表現されていることを読み取る&意図が伝わるように言語で表現する

 ・語の意味
 ・文法
 ・文構造
 ・敬語、雅語、差別語、卑語等

⑦言語で表現されていないことを読み取る&言外のニュアンスを伝えられるような言語表現をする

 ・音韻(音象徴、音の響き等)
 ・修辞法、レトリック
 ・象徴
 ・間(言語表現をしない部分)
 ・嘘
 ・敬語、雅語、差別語、卑語等

⑧言語による概念の知覚、意識、認識、言語の「枠組み」の獲得

 ・言語による思考の整理
 ・概念や感情の認識、表出
 ・言語の枠組みを知り、限界と可能性を知る
 ・語を覚え、経験、体感した時、そのものやことを語に当てはめ認識、整理する(語先)
 ・既に経験、体感していたものやことを語に当てはめ認識、整理する(語後)
(798字)