本大学の授業は、教員資格を取るための専門的知識を得るものだったり、教員としての見方や考え方、能力を養うものだったりして、専門的に研究に触れるのは、各ゼミでのテーマだったり、卒業研究だけの可能性があります。
つまり、他の大学の学部が、学年が上がるごとに徐々に研究をするのに比べて、本大学はゼミでしか研究に携われない可能性は高いのです。だから、卒業研究をしっかりおこなわないと、「研究」に触れないで社会人になる可能性が高くなります。
そして、これから教師になろうという人が、卒業研究をする意味は、大きく言って2つあります。
1.自らが筋道立てて繋がりを持って述べる
高校時代まで自ら問題点を見つけることがなく、課題が与えられて、解き方も教えられ、効率よく「正解」にたどり着くことを「良し」とされてきた人は、教育現場に出て、問題、トラブルに直面した時、分析の仕方、解決の仕方が分からなければ、適切な指導もできないし、適切な職場もより良い社会を作ることができません。
あなたにアドバイスしてくれる先輩の言うことは、適切な場合もあるし、不適切な場合もあります。問題、トラブルが長年続いているのであれば、その先輩の言うことはきっと不適切です。そうなるとそのやり方を変えなければなりません。
自ら問題を見つけ、解決、対策方法を繋がりを持って述べられないと、誰も協力してくれません。誰も共感してくれません。
「他人が理解し、協力してくれる」筋道、繋がりで伝えなければなりません。
2,教育をエビデンスベースで語る
教育は、感覚で述べられやすい世界です。「自分がそうだったから、そうされたから、きっとうまくいく(or我慢しなさい)」そうなってみんなが幸せになっていればいいのですが、そうでないとき反論できるのは客観的データです。その扱い方と表現方法を学べます。
つまり、教育を良くするために卒業研究をするのです。(807字)