Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

06. 勘違いとか思い込みとか

今から約50年前、トイレはくみ取り式が主流でした。

しかし、近所の裕福な友達の家に、水洗トイレが導入されていました。小学校低学年の私は、その友達のところに遊びに行き、トイレを借りました。その友達はきっと私が初体験だと思ってアドバイスしました。

「用を足してレバーをひねったら水が流れるから、そこで手を洗うんだよ。上の方で水が流れるからね。」

私は和式の水洗トイレで用を足して、レバーをひねります。「上の方で水が流れる」ってどういうことだろう、今、目の下で水が流れているけれど。」と思って、きっとこのことを言っているんだと勘違いして、おもむろに手を差し込んで手を洗いました。

後ろから「あーっ!」という声が聞こえました。友達が母親と確認しに来たのです。

ほら、上に流れている水。と言われ、目線を上げたら、タンクの上で流れていました。

「一生その手、使わない方がいいよ。」と友達に言われたのがショックでした。(408字)