国語の教科書には各学年に「作文の書き方」が掲載されている。
教科書に書かれてあるやり方そのままを行うと、そのやり方(方法)をおこなう事が目標となってしまう。教科書内容にツッコミを入れないと授業デザインは作れない。
最初に以下のツッコミが必要になる。
何で作文を書けた方がいいの?
作文の授業をする意味を学習者に伝えて授業をすると効果的になる。「教科書に掲載されているから」だけで授業を始めると、時間を活動だけで埋める授業になってしまう。
次のツッコミ
誰に何を伝える作文なの?
作文を学ぶ場合、この設定が欠落したまま授業を行うと、紙に文字を埋めるだけの活動になってしまう。
「クラスの仲間に」とか、「おうちの人に」とか、「新聞投稿用」それぞれで、文体は変わるはずだ。その設定をしないままだと、学習者は「きっと先生だけが読むんだな。」と考え、先生宛の当たり障りのない「間違いを避ける」、攻めない文章を書く。学校の課題を攻めて作成する学習者はほとんどいないだろう。
設定することで「どのような工夫をすればその対象に伝わるのか?」を考えることになる。設定しないまま作文だけ書かせて、「これ、隣の人に読んでもらいましょう」という後出しをしてはいけない。だってその人のために書いていないんだから、その人に伝わらない可能性は高い。
最後のツッコミ
この書き方は、作文にどのような効果をもたらすのか?
例えばイメージマッピングをして作文を書く場合、内容が思いつかない人、作文の流れがあちこちに飛んでしまう人にはその対応として有効だが、そうでは無い学習者には必要ではない。必要無い学習者は、「何のため?」と思いながらしぶしぶ授業に付き合うことになる。
イメージマッピング記述欄に「エピソード」、「感情」、「他者の視点」、「比喩」などとテーマを設定することで、学びが生まれる。(804字)