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上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

ダンシング・ヴァニティー(筒井康隆著 新潮社)

筒井康隆のドタバタ・ナンセンス・スプラッタコメディーの力は衰えていない。私が高校時代に読み出した初期の作品の雰囲気をこの作品でまた感じることができた。すばらしい。

最近新聞でこの作品に関してのインタビューをよく読む。先日も新潟日報に掲載されていた。不思議な繰り返しが何度も何度も起きる。初めはなんなんだ?と思ってきたが、だんだん心地よくなっていくから不思議である。なんでだろう?

思いついたのは、われわれは本を読むとき、「あれ?」と思ったところでちょっとさかのぼって読み返す。しかしこの本は、読み進めていくと自動で読み返すことができるのだ。そして、単純な繰り返しではなく、ちょっとずつ変化が起こっているので、その辺かでまた違った雰囲気を感じることができた。

とにかく、今までこの世に全くなかった文体の誕生である。