Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

授業

児のそら寝

今日の「中学校高等学校国語科授業づくり演習」のテーマは古文教材「児のそら寝」だった。この題材は高校1年生の一番初めに扱う古文ということころが多い。教科書を比べると,1年生の最初ということで,ほとんどの文章の脇に訳注が付いているものから,脚…

社会科教育の目標

今回の「教科の特質に応じた見方・考え方を働かせる授業づくりの実践と課題」のテーマは「社会科」。中学校社会科指導要領を読み解いた。主要な意見を記載し,授業の流れを追っていく。 社会的な見方・考え方を働かせ,課題を追求したり解決したりする活動を…

言語による見方・考え方を働かせる「山のあなた」の授業デザイン

火曜2限授業「教科の特質に応じた見方・考え方を働かせる授業づくりの実践と課題」の2回目。「言葉そのものを学習の対象としている。」という指導要領解説を受けて,時一歳に授業課題を作った場合,どのようになるのか?を各自持ち寄って検討する時間。題…

「言葉による見方・考え方を働かせる」とは?

火曜2限授業「教科の特質に応じた見方・考え方を働かせる授業づくりの実践と課題」という長いタイトルの授業を受け持っている。各教科で言っている「見方・考え方」とは,どういうことか?をみんなで掘り下げていく授業だ。2018年改定学習指導要領解説に書…

2018年度学習成果発表会

教職大学院を今年で修了する院生さん達が,今までの学修を発表する機会だ。私は1日中審査をするため,学部2年生の授業がつぶれてしまう。せっかくならこの機会に学部2年生に院生の発表を聞いてもらおうと思い,課題にした。誰でも1名の発表を聞いて,簡…

授業課題の「必要性」について

授業課題に関して,「その課題って面白いの?」とか,「その課題って役に立つの?」ということをいつも気にする。面白ければ学習者は乗ってくる。役に立つと思えば,面白くなくても学習者は取り組む。「役に立つ」といってもレベルがある。「自分が将来大人…

授業課題の「必要性」について

授業課題に関して,「その課題って面白いの?」とか,「その課題って役に立つの?」ということをいつも気にする。面白ければ学習者は乗ってくる。役に立つと思えば,面白くなくても学習者は取り組む。「役に立つ」といってもレベルがある。「自分が将来大人…

体育の模擬授業

学部2年生の「教育課程実践論」では,各受講者30分間の模擬授業をおこなっている。まだ教育実習に行っていない学生にとって,「主体的・対話的で深い学び」を目指した模擬授業をするのはとっても難しいと思う。ただ,今年の受講生たちは授業内容がチャレン…

曖昧な言葉を使った目標

学部生の授業で模擬授業をやってもらっている。先日までは学校支援フィールドワークで院生が連携校で授業をさせてもらった。私が指導案を検討するときに一番注目するのが単元目標だ。これが具体的な共有できる言葉で書かれてあるかということを突き詰めてい…

国語学習は何のため?

1.初めに本文は,学習指導要領の解説をするものではなく,昨年から「国語の学習は何のため?」ということを考え続けてきたので,そのまとめとしてのメモである。授業で学生と対話して見えてきたもの,本を読んで見えてきたものを少し整理して書きとめておく…

主体的・対話的で深い学び

「主体的(な学び)」,「対話的(な学び)」,「深い学び」について整理してきたが,整理してみれば見るほど全てが相互に関わっていることがわかる。もちろんそれぞれピックアップして論ずることができるが,論じていくと他の学びに繋がってくる。過去(自…

対話的な学びとは その2

思いの外「対話的学び」について書くことがたくさんになってしまったので, payforward.hatenadiary.com の続き。誰と対話するの?ということを考えてみる。人間は大きく分けると 過去 現在 未来 と対話できる。1.過去 人間は過去と対話できる。過去とは会話…

対話的な学びとは その1

「対話」という言葉の意味をちょっと考えてみる。「会話」でも「議論」でも「話し合い」でもない。「隣の人と会話しなさい」,「隣の人と議論しなさい」,「隣の人と話し合いをしなさい」という表現はしっくりくるが,「隣の人と対話しなさい」となるとなん…

「深い学び」について

新学習指導要領で柱になっている授業実践の視点「主体的・対話的で深い学び」で,「深い学び」が最もつかみ所が無いものだと思う。「豊かな学び」とか,「深い学び」というものは,漠然と当たり前のように使われて,具体的にどのような状態が「深い学び」に…

主体的な学びとは

「主体的・対話的で深い学び」の「主体的な学び」*1とは?と聞いてみると,「自ら進んで学習に取り組む。」と答えるのが一般的だ。私は学習において,3つの場面での「主体的学び」があると考えている。 学習過程 目標設定 学習結果 の3点である。「学習過…

「主体的」な学びについて

「主体的・対話的で深い学び」とはどういうものなのかを考える上で,現場教師の中で,「主体的」というもののとらえ方が2通りあるということに気づいた。「主体的」な学びについて,文科省は 学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連…

連戦連敗2

「授業がうまくいかなくて」なんていうと「先生でもうまくいかないことがあるんですか?」なんて言われる。いえいえ、うまくいく方が珍しいんですよ。連戦連敗だなぁと思う今日この頃、そういえば、昨年もそう思った時期があったなぁとブログを検索したらあ…

教科書に載っていない!

以前の単元で、いつも合格点を取っている生徒が、今の漢文の単元ではなかなか合格点に達しない。というか、10点満点で1,2点を連発している。どうしてなのか?と聞いてみた。そうしたら、以前の単元では中学時代に覚えたことで点数がとれていたようだ。…

「わかる」ということ

「どうすれば現代文ができるようになりますか?」と聞かれるときは、ほとんどの場合「現代文の問題が解けるようになる。」である。そのためには「現代文の問題文を理解できるようになる。」ことが必要だ。つまり、文章を読み取れるようにならなければならな…

テキストにあたる

うちの子どもたちの学習方法を観察していると、「ただひたすら暗記」が多い。小テストを返すと正解を調べ、その正解を「ただひたすら暗記」している。どうしてそうなるのか?と疑問を持つ子どもが少ない。「せんせー、この訳しかたはどうなるんですかー?」 …

文学読み取りの有時間性

「下流志向」には、文学や、音楽は「有時間的」に読む(感じる)ものであると書いてある。例えば音楽は、今聴いている「音」だけでは音楽を感じることができない。もうすでに聞いた余韻と、これからくる音の予想で音楽を味わうのである。文学も全く同じで、…

論理を学ぶ

遠藤周作著「コルベ神父」という随筆を授業で扱っている。この単元で、「論文を書く」ということを目標としている。 遠藤周作は、「コルベ神父」という文章で●●●●ということを伝えたかった。理由は3点ある…… という書き出しでナンバリングとラベリングで4…

散歩と道順とランドマーク

この時期は運動部の大会がたくさんあり、自習や時間変更が頻繁にある。出張の先生の授業をもらい、1年生のクラスが2時間連続になった。そしてこの春には1クラスに1回散歩をする。特に、1年生や、クラス替えをしたクラスでは必ずする。2時間連続になっ…

本日語ったこと

前の時間、どうもぐちゃぐちゃになって、精彩を欠いていた私のクラスに、授業の始めに語った。前の時間は課題が難しかったのか、なかば諦めている生徒が他のあきらめかけの生徒と「あきらめ同盟」を作り、課題に向かおうとしていなかったのだ。いつもほとん…

目標の設定について2

引き続いて目標の設定について追加です。取り組む課題について 5.正解が決まっている課題 6.結果に自由度のある課題 の2つに分けられる。5.は究極の結果としてみんなの課題が同じになることが求められる。課題の結果は教師は予測できるものである。6.は究極…

目標の設定について(『学び合い』のふりかえり4)

今年度は目標の設定、特に、国語の目標の設定について意識的に考えてみた。夏のフォーラムで、「国語は目標の設定が難しい。」と言われたからだ。ずーっと国語をやっている私にとっては、他の教科がわからないので、難しいとも何とも思わなかった。国語の目…

連敗の日々

連戦連敗である。 なぜこうなるか? 目標設定がよろしくないからに決まっている。教師は自分がやれることを生徒に求めたがる。 そういうときに決まって その目標設定は失敗に終わる。自分がやれない、分からないことを 設定した時は 案外うまく行ったりする…

授業放棄

授業放棄をしてしまった。 その時はそうせざるを得なかった(と思う)。あることに対して指導をした。しかし誰も名乗り出なかった。 しかしその指導をチャラにして、授業も続けられなかった。 授業を続ければ、「名乗り出なければ得になる」と思われるからだ…

できない理由をいわない

非常に難しいことだ。 誰かに言わなくても、言葉を口から発しなくても 心で思ってしまう。 ○○だからだめだったんだ。 イソップ童話の「酸っぱいブドウ」だ。もちろん子どものせいにはしないが、 子どものせいにしないとなると、環境のせいにしてしまう。いか…

ホーム連敗

といってもアルビの話ではない。授業の話だ。どうも最近連敗が立て込んでいる。「案ずるより産むが易し」と思うときもあったのだが、次の授業で完敗する。ブログでいろいろえらそうなことを書いているが、理想や決意や、諦めないために書いているのであって…