Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

学び合い

目標の設定について2

引き続いて目標の設定について追加です。取り組む課題について 5.正解が決まっている課題 6.結果に自由度のある課題 の2つに分けられる。5.は究極の結果としてみんなの課題が同じになることが求められる。課題の結果は教師は予測できるものである。6.は究極…

目標の設定について(『学び合い』のふりかえり4)

今年度は目標の設定、特に、国語の目標の設定について意識的に考えてみた。夏のフォーラムで、「国語は目標の設定が難しい。」と言われたからだ。ずーっと国語をやっている私にとっては、他の教科がわからないので、難しいとも何とも思わなかった。国語の目…

『学び合い』のふりかえり3

先日放課後、掃除が終わってからストーブの辺りにいてまわりの生徒をからかっていたら、他のクラスの生徒が来て、「先生、質問があるんですが……。」と課題が書いてあるノートを持ちながら言ってきた。それを聞いたうちのクラスの生徒(質問をした生徒と同じ…

クラス全員に成果を求めること(ふりかえり2)

ようやく私もクラス全員に成果を求める課題(クラス課題)も今年度から課した。それまでは、「必要だったら交流してもいいよ。」というスタンスだった。そして、年度の授業が終わるので、1年間のふりかえりを書いてもらっている。その中で、クラス課題につ…

今年度の『学び合い』のふりかえり1

1年生から2年生にかけてクラス替えをして、1年間が経った。新たなクラスになっての『学び合い』というのはなかなか大変である。しかも、週2時間という授業で、いかに早く『学び合い』文化をかが課題だった。でも、そんなことはすっかり忘れて、年度の終…

『学び合い』セミナーin群馬

懇親会に出て、帰ろうと思ったら、強風のため新幹線が大幅に遅れて、1時間10分遅れ。どうなっているんだー。駅の待合室で新幹線を待っています。とても楽しい会でした。『学び合い』を初めたばかりの初任者の報告は、『学び合い』をやろうと思って、なか…

行きますよ。群馬。

昨日申し込みをしました。いろんな人に会えそうで楽しみです。夏の宣伝もさせてもらえることになりました(チラシ配布)。

「学ぶ」ということ

3年生の学年末考査中である。ここ近年は最後の最後のテストの時に「国語の授業で『生きるために学んだ』と考えたこと」を書かせる。それを読んでいると、子どもの学びは多種多様だなと毎年思う。こちらで全く意図していないこと、または意図したこと以上に…

2種類の『学び合い』の目標

子どもは誰の評価を意識しているか。学校では大きく分けると教師と仲間である。教師が「みんなが90点以上とりなさい。」と言った場合は、子どもは「90点とらなかったら先生はどう反応するか?」ということを考えるから、このような目標の場合は教師であ…

丸写しの功罪

「クラス全員が原稿用紙の書き方をマスターする」という課題を設定した。「原稿用紙の書き方」といっても、書き方ができればよいということではなく、文字も丁寧に書かねばならぬし、話し言葉は書き言葉になおして書かねばならぬ。練習問題をした後、4時間…

教師の習慣

西川先生のブログのコメントで、『学び合い』の敵は教師の習慣だと書きました。習慣ほど抜け出ることができないものはありません。本で読んだことなのですが、擦り傷を負った時、本当は密閉して空気に触れぬようにした方が治りが早いそうです。しかし、絆創…

指導できなかったこと

id:janglejapさんから「高校生のお兄さん、お姉さんへ」という作文を小学生が書いたものを送ってもらった。「前途ある小学生だから、今後作文を書くのが嫌になるようなコメントはしないこと。」と十分に念を押したつもりだったが、配慮のないようなコメント…

『学び合い』を伝える言葉

臨床教科教育学セミナーで、「教えない」という言葉が『学び合い』を理解するのをためらう要因になっているという話があった。実際にそうだろう、今まで「教えていた」人が、「教えない」というまるっきり逆の話を聞かされたら、拒否感を持つのは自然だ。じ…

語る叱る怒る

私が一斉授業しか知らなかったとき、国語やホームルームで国語や学校生活の意義を語っていた。「語っていた」というのは、ある時には「怒っていた」場合もあるし、「叱っていた」場合もある*1。そして、『学び合い』を実践しようとしている今でもほぼ同じ事…

「文化」とは

授業開始の10分読書をしている。 私はチャイムが鳴る前に教室に入り、 子どもたちはチャイムが鳴ると読書を始める。少々私が教室に遅れて入っても 子どもたちはチャイムがなると読書をしている。 タイマーで10分計り、 タイマーが鳴ると始業の挨拶をする。一…

子ども同士の可視化

あべたかさんのブログで、『学び合い』をすると活発な生徒も、そうでない生徒もよく見えてくるという記事があった。そうそう。よく見えるんだよね。そこでふと考えた。教師に見えるということは、子ども同士にもお互いがよく見えるということじゃないか?い…

『学び合い』の限界

池田さんのブログで『学び合い』の限界について語られていた。私も『学び合い』の限界について考えてみた。『学び合い』は教師の介入を極力排除する。しかし、教師がいなければ『学び合い』は生じないと考える。ということは、教師自身が『学び合い』の限界…

国語の目標の設定

『学び合い』では目標を設定すればよいというが、これが実は難しいし、『学び合い』に興味を持っている人にとって一番悩むことである。「国語で『学び合い』をどうすればよいか分からない。」という方がいるが、目標をどう設定すればよいのか迷うのだろう。…

賛成する人数

NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」で、庭師の北山安夫さんの言葉。 北山さんは伝統的な寺院の庭を任される力のある庭師だ。「伝統を守ることが仕事なのか?」というようなことを聞かれたとき、次のように答えた。 「10人中1〜2人が賛成することはおこ…

教師の仕事

「班学習をやっている」とか、「関わり合いの授業をやっている」なんてことを高校教師の前で発表すると必ず出てくるのが「やるきのないこどもがいたらどうするんですか?」、「関わらない子供がいたらどうするんですか?」という質問だ。しかし、『学び合い…

「指導不足教員」の授業

13日付新聞に2006年度指導不足教員が全国で450人となったという記事があった。数名の例が載っていた 自分のペースで一方的に授業を進行し、教え込もうとする。 目の前にいる子どもの気持ちをくみ取れず一方的な授業をしてしまう 1人の子どもにかかりきりで他…

朝の読書と『学び合い』

以前から朝の読書と『学び合い』は通じるところがあると思っていた。なぜだろう? と考えていた。朝の読書は『学び合い』の文化のもと行われる「方法」というとらえでいたが、どうも違う気がしていた。考えてみれば「朝の読書」というネーミングで表している…

『学び合い』のとらえ方

いっとき朝の読書が脚光を浴びた。(もちろん今も地道に続いている。)提唱者は「4原則*1を守れば誰にでも簡単にできる。」と言っていた。しかし、「だれにでも」「簡単に」はできない。なぜならこの4原則の裏にはどういう理念があるのか、またその理念に…

八幡小学校校内研修

昨日八幡小学校の校内研修に参加させてもらった。懇親会(実は、学校の暑気払いの会)にも参加させてもらった。初対面なのに、学校の飲み会に参加させてもらい、しかも楽しく話して過ごせる学校って、とてつもない集団だと思った。中でも、お若い先生を交え…

明日は八幡小学校

研修会と弁当と懇親会の申し込みを住ませました。7:40の新幹線に乗って行きます。楽しみ楽しみ。上教大から院生の皆さんもいらっしゃるということで、時間があればフォーラムのことも話せたらと思います。

研修会行こうかな?

群馬の八幡小学校で研修会がある。うちの学校はそうそうに夏休みに入るので、7/25は空いている。保護者面談期間だが、今のうちから予定しておけば大丈夫だろう。『学び合い』の八幡小学校である。どんな授業をしているかか?というよりも、どんな職員の雰囲…

どうでもいいですよ~

どうでもいいことに対して、本気で怒ったり、怒らなければならないときに、どうでもよくしたり……。ずいぶん昔はそうしてきたが、『学び合い』を理解するようになると、そういうことが少なくなる。昔は無駄なエネルギーを使っていたなぁと思う。「ここはゆず…

文化の違い

今年初めて持ったクラスと昨年度から持っている(正確に言うと、昨年度から持っている生徒が数名いる)クラス。大きく違う。学ぶ姿勢が違う。4月から同じようなスタンスで接していても、全く違う。昨年度から持っているクラスは『学び合い』ができているク…

子どもを見る

先日私の授業で携帯電話をいじっている生徒がいたので、没収した。(私の学校は携帯電話使用禁止。)携帯電話は生徒指導へ行き、没収された生徒は反省文を提出し、携帯電話を返してもらった。その反省文に以下のようなことが書かれてあった。 グループ学習の…

『学び合い』の素地

「なぜ勉強させるのか?」(諏訪哲二著・光文社新書)を読んでいる。『学び合い』については書かれていないが、子どもたちの学びが成立するには何が必要か?が書かれてある。ほとんど「下流志向」に書いてあることと同じ事であるが。それを読みながら気づい…